基本的な機能については、Aシリーズとほぼ同等。音楽に加えて動画の再生と静止画の表示が行える。FMラジオとダイレクトエンコーディングの機能も備えているが、ダイレクトエンコーディングを利用するには、オプションの録音ケーブル「WMC-NWR1」が別途必要となる。
楽曲についてはATRAC(ATRAC3、ATRAC3plus含む)/WMA/MP3/AAC/ATRAC Advanced LOSSLESS/リニアPCM、動画についてはMPEG-4(SP/最大ビットレート2500kbps)とAVC(H.264/AVC)Baseline Profileレベル(最大ビットレートは768kbps)が再生できる。動画の音声コーデックについては、AAC-LC(最大2チャンネル、最大ビットレートは1チャンネルあたり288kbps)に対応する。
楽曲/動画の転送については、添付される「SonicStage CP」ならびに「Media Manager for WALKMAN」を利用する。SonicStageはもはやおなじみとなったライブラリ/転送ソフトだが、Media Manager for WALKMANは本製品で初めて登場するソフトだ。このソフトは動画/静止画の転送ならびにビデオポットキャストの管理/転送を行えるが、ファイルの変換機能は有していない。
「P-TV for WALKMAN」や「eyeVio」などでウォークマン向けとして提供されている動画や、さまざまなサイトから配布されているビデオポットキャストを視聴する分にはMedia Manager for WALKMANで問題ない。しかし、自分で録画したアナログテレビ番組や撮影したビデオなどを楽しもうと考えるならば、同社動画変換ソフト「Image Converter」(ソニースタイルでの販売価格は2100円)などを別途導入する必要がある。
Aシリーズは「全部入り」の最上位モデル、Sシリーズは尖った部分を持つSpecialityなモデルというキャラクターの違いに起因するかとは思うが、ハードウェアとしての再生機能としてはほぼ同等だけに、本製品にも動画変換ソフトを同梱して欲しかったというのが正直なところだ。
パッケージにはランチャーソフトの「WALKMAN Launcher」も同梱されており、「ミュージック」を押すとSonicStage、「フォト」「ビデオ」を押すとMedia Manager for WALKMANが起動し、「ダウンロード」を押すと同社のおすすめ動画配信サイト集がブラウザで表示される。Image Converterを別途導入してあれば、フォト/ビデオのボタンからImage Converterを起動させることも可能だ。
音楽を楽しむ際の手順もAシリーズと変わらない。ホームメニューから「ミュージックライブラリ」を選択した後、アルバム名やアーティスト名、ジャンル、プレイリストなど任意の項目を選ぶスタイルだ。再生中は左右ボタンで次曲への送り/戻し、上下でアーティスト/アルバム/ジャンル/リリース年をキーとしてのソートが行える。
液晶下のボタンですべての操作は行えず、音量調整とノイズキャンセルのON/OFFについてのみは指を正面から側面/上面に動かす必要があるが、これは程なく慣れる。特に利用頻度の高い音量調整については、iPodとは異なりハードウェアとしてボタンが独立していることをメリットに感じる場面も多い。
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