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» 2007年09月26日 12時05分 UPDATE

脱フルオートの道 第12回:デジカメと楽しくつきあう方法

フルオート撮影からの脱却を目指したこの連載も今回が最終回。今回は、デジカメの限界と、それとうまくつきあうための方法を探ってみたい。

[小山安博,ITmedia]

デジカメとうまく付き合うために

 デジカメは銀塩カメラと違いメモリカードに撮影した画像を保存する。画像をPCで管理し、必要なものだけ選んでプリントアウトできるので、フィルム代や印刷代を気にせず何枚でも撮れるのが大きなメリットだ。液晶画面ですぐに結果も分かるので、その場で試行錯誤しながら撮影もできる。そのため、これまで解説してきたようなテクニックをいろいろと試しながら撮影できるので、テクニックを身につけやすいのだ。

 いいことずくめに見えるデジカメだが欠点もある。よく言われるのが「ダイナミックレンジが狭い」というものだ。ダイナミックレンジそのものは信号の再現能力を指す言葉だが、写真を含む映像の世界においては白飛びせず、黒つぶれしないギリギリまでの範囲をダイナミックレンジと呼ぶ。

 この範囲がフィルムを使う場合に比べて狭いのがデジカメの弱点といわれる。そもそもダイナミックレンジが本当に狭いのか、狭いならどれだけ狭いのか、というのはなかなか単純ではないのだが、いずれにしても白飛び/黒つぶれの問題はどのカメラでも起こりうる問題だ。

 撮影してみてどうしても白飛び/黒つぶれが気になった場合は、「ブラケティング撮影」を試してみるといい。これは自動的に露出補正の値を変えて連続撮影をする機能で、その中から適切だと思う写真が選べるデジカメならではの機能。それでもダメなら、最悪の場合は主要被写体が白トビ、黒つぶれしないようにして、それ以外の多少の問題は目をつぶるしかないだろう。

 ほかにも、デジカメ特有の問題に「偽色」と呼ばれる問題がある。これは本来はなかったはずの色が写ってしまうという現象で、にじみのような色むらが出るなど、その場にはなかった色が出てしまう。同様に本来はなかった色が出る現象に「色収差」がある。これはレンズが原因で、ハイライト付近に紫色が出現する代表的だ。

 いずれも存在しないはずの色が写る問題だが、原因は異なる。メーカー側はカメラやレンズを工夫することでこの問題に対処しようとしているが、なかなか完璧に防ぐことは難しい。色収差は100%ではないが絞り込むことで解消できることもあるので、問題が発生したら試してみるといいだろう。

photo ハイライトのフチに、本来はなかった紫色の色にじみが出ている。これはパープルフリンジとも言われる

 レンズに起因する問題としては「フレア」と呼ばれる現象もある。これは太陽などの強い光が構図中にあった場合に、画像が白っぽくなったり、白い光の輪(ゴーストという)などが発生したりする現象だ。これは構図を工夫して太陽が入り込まないようにするのが基本的な対策。レンズの先に覆い(フード)を付ける方法もあるが、コンパクトデジカメにフードが付属することは少ないので、手のひらなどを使って光を遮る「ハレ切り」というテクニックも有効だ。

photo 強い日差しを直接、画面内に入れたことで発生したフレア

 これまで紹介した例以外にも注意しなければ問題はいくつかあるが、カメラによって発生しやすいもの、発生しにくいものもある。自分のカメラで撮影を繰り返していれば、どのような条件でどのような写り方をするのかがつかめてくるので、まずは撮った後に写真を確認するクセを付けよう。

 ただ、そうした問題にとらわれすぎて、せっかくのシャッターチャンスを逃してしまっては本末転倒。実にもったいない話だ。フィルム代・印刷代を気にしなくてもいいデジカメなのだから、たくさん撮って、たくさん撮影を楽しんで欲しい。

 これまで紹介したテクニックも、意識していれば最初はぎこちなくとも自然と身に付くものだ。「脱フルオート」を目指せば、ますます写真を撮ることが楽しくなると思う。

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