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“風アイロン”でシワをのばす洗濯乾燥機――日立

» 2007年09月26日 19時19分 公開
[山田祐介,ITmedia]

 日立アプライアンスは9月26日、ドラム式洗濯乾燥機の新製品として、風の力で衣服のシワをのばしながら乾燥させる“風アイロン ビックドラム”「BD-V2000」と、“ビックドラム”「BD-V2」を10月20日から販売すると発表した。価格はともにオープン。実売想定価格はBD-V2000が30万円前後、BD-V2が25万円前後。どちらも左開きタイプだが、12月中旬より右開きタイプ「BD-V2000R」「BD-V2R」の販売も開始する。

photophoto BD-V2000とBD-V2R
型番 BD-V2000/BD-V2000R BD-V2/BD-V2R
容量 洗濯9キロ/乾燥・洗濯〜乾燥7キロ
洗濯水量 75リットル
洗濯〜乾燥水量 約95リットル 約108リットル
洗濯時間 47分
洗濯〜乾燥時間 約150分 約160分
風アイロン機能 あり なし
photo ノズルからの強力な風で衣服がふくらんでいるのがわかる

 BD-V2000が搭載した「風アイロン」は、乾燥時にノズルから強力な風を衣服に吹き付け、風を受けた衣服が船の帆のようにふくらむことでシワをのばす。これによりアイロンをかける手間が軽減するほか、洗濯物の容量が2キロまでならワイシャツやズボンなどをアイロンがけなしできれいに仕上げるという。


photophoto 容量2キロで洗濯した場合のシャツの比較

 風の速度は時速360キロと、ジェット機の離陸スピードなみ。この風速は同社が掃除機で培ったモーター技術を応用した「ジェットファンモーター」により実現した。その回転速度は1万4000回転/分と、2006年11月に発売した「BD-V1」の約3倍になる。

photo ゴムボールを使ったファンモーターの比較実験。箱の下にはファンが設置されている。

 ファンはドラム内部の空気を吸い込んで吹き出す循環構造で、湿気を外に漏らさない。またファンモーターの発する熱を利用した高効率の乾燥で、省エネ性も高めた。「日立のモーター技術の粋を集め、3年半の研究のすえ世に問う自信作。湿気を外に出さないドラム式洗濯乾燥機としては、最高の省エネ性能だと自負している」と、同社の常務取締役 家電事業部長・石井吉太郎氏は語る。“標準コース(風アイロン設定)”で7キロの洗濯物を洗濯・乾燥した場合、消費電力は約2100ワット/時となる。

photo Neo56DD モーターの説明

 1600回転/分の高速脱水を可能にする、新開発「Neo56DD モーター」も搭載した。強い磁力を持つネオジウム磁石を56極配置し、従来のフェライト磁石20極のDDモーターよりも回転精度を3倍、なめらかさを8倍にまで高めている。これにより、容積75リットルという大容量のドラムを備えながら、“洗い”で27デシベル、“脱水”で37デシベルという低騒音を実現。加えて「ツインアクションサス」や「ダブル振動センサー」などの低振動化技術で床に伝わる振動も低減した。

 高速脱水や風アイロンの高速風などにより、洗濯から乾燥までの時間を短縮。“標準コース(風アイロン設定)”の場合、洗濯物7キロを約160分で洗濯・乾燥する。

 洗濯時は落下運動によるたたき洗い効果に加え、洗剤をきっちり溶かし、水を循環させる「2way循環ポンプ」や、濃度の高い洗剤液を注ぐ「ナノミセルシャワー」などで効率をアップ。9キロの洗濯物を47分で洗い上げ、洗濯時の標準水使用量は75リットルを実現する。乾燥フィルターに「スーパーナノチタン消臭乾燥フィルター」を採用し、アンモニアなどのにおいを消す。

 サイズは735(幅)×600(奥行き)×1050(高さ)ミリで、カラーはプラチナ/ショコラ/シャンパンを用意した。

 BD-V2は、風アイロンを搭載していないが、Neo56DDモーターを備える。サイズは735(幅)×600(奥行き)×1037(高さ)ミリで、ライトグレーとライトベージュの2色を展開する。

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