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電池を外さずに充電できる「エコ電池充電キット」橘十徳の「自腹ですがなにか?」第13回(2/2 ページ)

» 2007年10月09日 10時45分 公開
[橘十徳,ITmedia]
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 実際に使ってみる。まずは機器に入れないで裸のまま充電することにした。充電器の底には電池が立てられるように丸い格子が刻んであるので、ここに電池を差し込む。説明書によると、電池は立てかけた状態でしか充電されず、水平状態に寝かせてしまうと充電できないそうだ。とにかく置きさえすれば充電できると思っていたのだが、これには少し驚いた。

 底に置くと、電池側面の表示ランプが光る。青色のランプが電池のラベルの下で光っているので、少し見づらい。もちろん「非接触」という謳い文句通り、電池をつまみ上げて宙に浮かせても、ランプは光ったままだ。しかし、電池を倒したり、底から距離を離しすぎたりするとすぐにランプが消える。

機器の形状によっては使えない場合も

 実際にその距離を測ってみたところ、ランプが点灯する境目は底から約6センチの距離だった。もっと長い距離からでも充電できると思ったのだが、これは少々期待外れだ。最近のAV機器のリモコンはかなり巨大になっており、電池はそこに縦に収納するようになっている場合が多い。そうすると、電池までの距離が離れすぎて充電できない可能性がある。

photophoto リモコンを入れてみたところ、下部のランプは点いたが上部が点かなかった(左)。コンパクトデジカメもすっぽり入る(右)

 実際に松下製のHDDレコーダーのリモコンに入れてみて、電池ケースを外したままランプの点き具合を見てみたが、予想通り、下部の電池は充電ランプが光るものの、上部の電池のランプは光らなかった。つまり、片方の電池しか充電できていないということだ。

 要するに、この製品は電池を入れた状態で底との距離を約6センチ以内に保ち、なおかつ電池が底に対して垂直になるような位置関係でないと使えないことになる。充電器と機器との形状の関係を十分考える必要があるわけだ。

 充電器の内寸は、直径が8センチ強で、深さが10センチ強。このサイズを踏まえた上で、手持ちの機器が使えるかどうかを検討していただきたい。ただし、この条件に合わなくても、実際には充電できてしまったケースもあった。単三形電池で動くデジカメで使ってみたのだが、形状的には電池が底に対して水平になってしまう。それにも関わらず、何時間か置いておいたら動かなかったデジカメが動いてしまった。ただし説明書で推奨されている使用方法ではないので、このような使い方は自己責任となる。

汎用充電池の未来を先取り

 説明書によると、この機器は電磁誘導を使ったものなので、テレビやラジオなどに雑音が入る可能性があるそうだ。また、磁界の影響を受けやすい製品を近付けるのもよくないらしく、データやメモリーの損失が起こる可能性もあるというから要注意だ。たとえばデジカメの中に入っているメモリーカードなどに影響が起こらないとも言えない。

 実際に使った上でこのような誤作動はまだ経験していないが、大事なデータが入ったメモリカードなどは離しておくべきだろう。また、電池のサイズが普通の単三形電池と比べてほんの少しだけ太めなのも気になる。懐中電灯のミニマグライトに入れてみたところ、きつくて電池を取り出すのに苦労した。

 このような問題はあるものの、今までにない新しい充電スタイルを実現して、それを手軽な値段で一般ユーザー向けに発売してくれた点には拍手を送りたい。今後は単四形電池をラインアップに加えたり、充電できる距離を伸ばしたりと、さらなる進化が期待される。もしかしたら未来の汎用充電池はどれも非接触型になるかもしれない。新しモノ好きな人は、この製品を使ってそんな未来を先取りしてみてはいかがだろうか。

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