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写真を公開する楽しみ――ニコン「COOLPIX S51c」レビュー(1/6 ページ)

» 2007年10月10日 08時30分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

 無線LAN搭載デジカメは何社から出ている(出ていた)けれども、毎年継続的に対応モデルを用意しているのはニコンだけといっていい。おかげで、無線LANの使い方もスタイルが定まって面白くなってきた。

 それが「COOLPIX S51c」だ。COOLPIX S51cが提唱する無線LANのコンセプトは、公衆無線LANを使って写真を送り、その場で見てもらうこと。パソコンがなくても、撮影したらすぐフルサイズの写真を送れるのがウリだ。

 もともと無線LAN搭載カメラはワイヤレスでプリントしたりワイヤレスでパソコンに画像を転送するところから始まったが、ニコンは2007年春の「COOLPIX S50c」で「COOLPIX CONNECT」という公衆無線LANを使った写真のやりとりを開始し、今回のS51cを期に「My PictureTown」というより汎用性の高いサービスに移行した。これがなかなか面白い。

フロントのウェーブデザインが印象的なボディ。シンプルでなかなかきれい

無線LANで写真を送るとは

 この無線LAN機能はCOOLPIX S51cならではのユニークな機能なので最初に触れておこう。

無線LAN関連の機能を選ぶとまずこのWiFiのロゴ画面が表示される
ワイヤレス設定画面。ネットワーク設定では使うアクセスポイントの登録を、宛先ではメール送信相手のメールアドレスを設定する

 無線LANは802.11b/g。セキュリティはWEPとWPA、WPA2に対応しており、無線LANのアクセスポイントを通してニコンが用意する「画像保存・共有サイト」に接続するために使う。逆に、無線LANを使ったプリントや家庭内での無線LANによる共有はできない。あくまでも基本は“お外で送信”である。

 そのサイトが「My Picturetown」。COOLPIX専用というわけではなく、写真の閲覧やアップロードはパソコンからも可能で、誰でも使えるサービスとなっている。

 無料会員になると、2Gバイト分のストレージがもらえ、さらに月額350円のゴールドサービスに加入すると20Gバイトまで拡張される。自分の「My Picturetown」とCOOLPIX S51cをリンクさせると(COOLPIXの持つキー情報を入力すればいい)、そのカメラから送信すると自動的に自分のライブラリにアップロードされるようになる。

 撮った写真をすべてバックアップ、というには少ないが、気に入った写真だけをアップしておくなら十分な容量だ。

 COOLPIX S51cが無線LANでやりとりできるサーバーはこのMy Picturetownのみであり、その分ユーザー側の作業もすごくシンプル。My Picturetownへの写真のアップロードと写真のメール送信だけなのだ。だから誰でもすぐ使える。

 メール送信は、My Picturetownへいったんアップロードし、その写真へのリンクをメールで別途送信するというものなので、いずれにせよ、写真はMy Picturetownのサーバーにアップできるわけだ。

 メール送信相手はケータイ(NTTドコモ、au、Softbankの3G携帯など)でもOKだから、その場にいる人にケータイを通して写真をあげるという使い方もできる。

My Picturetownに写真をアップロードするときは、このサムネイル画面からOKボタンで写真を選び、シャッターボタンで決定して送信する
送信するとSSIDを検索し、見つかったらそれを選んで送信。送信が終了すると自動的に切断される

 写真のアップロードは、再生モードメニューからMy Pituretownを選び、サムネイルからアップロードしたい写真をチェックし、シャッターボタン。そして送信を実行すると、おもむろに無線LANのアクセスポイント(SSID)を探しにいく。

 製品にはあらかじめ「BBモバイルポイント」のSSIDとWEPキーが登録されており、BBモバイルポイントなら1年間無料で利用可能だ。BBモバイルポイントは全国のマクドナルドを中心に展開されているので、近くにマクドナルドを見つけたら送信可能と思っていいくらいの感じ。

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