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写真を公開する楽しみ――ニコン「COOLPIX S51c」レビュー(3/6 ページ)

» 2007年10月10日 08時30分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

極めて基本的な手ブレ補正付3倍ズームコンパクト

 ではカメラの話だ。Wi-Fi機能を持つ以外は普通のシンプルな薄型スタイリッシュコンパクトである。

正面から。シャッターが開いて中にレンズが見える。屈曲光学系なのでレンズが飛びでない。右側が膨らんでいるのは無線LANユニットが入ってっているため
側面。無線LANアクセス中はこのように青く点灯する(左)。微妙な曲面とブラックの背面の取り合わせが絶妙(右)。露出補正ショートカット用の刻印がサイドにあるのは、他にスペースがなかったためかと

 COOLPIXはシンプルで機能もギリギリまで抑えた「Sシリーズ」と、中級者以上向けにマニュアル系機能を充実させた「Pシリーズ」があるが、COOLPIX S51cはまぎれもなくSシリーズ。マニュアル系の機能にはあまり期待しない方がいいし、操作系も快適さよりは間違いにくい方を優先しているようだ。

 CCDは1/2.5インチの810万画素。レンズは屈曲光学系で35ミリ換算38〜114ミリ相当の3倍ズームでレンズシフト式の手ブレ補正付。明るさはF3.3〜4.2と屈曲光学系としてはポピュラーだ。

 撮影距離はレンズ前30センチから、マクロモード時は4センチまで寄れる。が、4センチまで寄れるのは広角端ではなく45〜66ミリ相当の標準域というのがCOOLPIXらしいユニークなところ。ズームレバーをちょっとテレ側に押して、マクロアイコンが緑色になったとき一番近寄れると覚えるといい。

 ISO感度はISO100から1600。撮影モードには「Hi ISO」が別途要されており、これにすると通常のISOオートより早くから感度が上がりはじめ、最高ISO1600まで自動的に上がる。暗いところでノイズよりブレ低減を優先したいときや、よりシャッタースピードを速くしたいときに便利だ。

ロータリーセレクターを使った操作系

 COOLPIX S51cはボディが薄くてきれいな曲面になっており、なかなか持ちやすくて撮りやすいカメラだが、操作のリズムがあまりよくない。

上面から。フェイスクリアー、メール送信ボタンが独立している。さらに電源とシャッターボタン
操作部。注目は円形の十字キー兼ロータリーセレクター。これはなかなかよくできている。十字キーはそれぞれセルフタイマー、フラッシュ、露出補正、マクロのショートカットになっている

 まず正面の電源スイッチ。ちょっと長押しが必要なので、スイッチがちゃんと入ったかどうか分からないことがある。

 電源スイッチを入れると1秒ちょっとで液晶モニターが点灯するのだが、この時点ではまだダメで、さらに1〜2秒待って画面に撮影情報表示が出てはじめて撮影可能になる。つい最初の液晶モニター点灯時でシャッターを押してもダメなのである。ちゃんと撮影準備ができてから押し直す必要がある。最近のコンパクトデジカメとしては起動はちょっと遅めである。

背面。3インチの大きな液晶モニターの横に各種操作系がある。モニターはグリッド表示も可能だが、オート時のISO感度やシャッタースピードが表示されないのは不便

 操作面の特徴はなんといっても、3インチの大型液晶モニターとその右にある円形のセレクター。上下左右を押すと十字キーとして、指先で回すと回転式のロータリーセレクターとして働く。これは便利。

モードキーを押すと円形の撮影モードダイヤルが画面に表示され、ロータリーセレクターで選択する(左)。再生時にモードキーを押すと再生モード用のダイヤル画面となる(右)。my Picturetownなどもある

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