ではカメラの話だ。Wi-Fi機能を持つ以外は普通のシンプルな薄型スタイリッシュコンパクトである。
COOLPIXはシンプルで機能もギリギリまで抑えた「Sシリーズ」と、中級者以上向けにマニュアル系機能を充実させた「Pシリーズ」があるが、COOLPIX S51cはまぎれもなくSシリーズ。マニュアル系の機能にはあまり期待しない方がいいし、操作系も快適さよりは間違いにくい方を優先しているようだ。
CCDは1/2.5インチの810万画素。レンズは屈曲光学系で35ミリ換算38〜114ミリ相当の3倍ズームでレンズシフト式の手ブレ補正付。明るさはF3.3〜4.2と屈曲光学系としてはポピュラーだ。
撮影距離はレンズ前30センチから、マクロモード時は4センチまで寄れる。が、4センチまで寄れるのは広角端ではなく45〜66ミリ相当の標準域というのがCOOLPIXらしいユニークなところ。ズームレバーをちょっとテレ側に押して、マクロアイコンが緑色になったとき一番近寄れると覚えるといい。
ISO感度はISO100から1600。撮影モードには「Hi ISO」が別途要されており、これにすると通常のISOオートより早くから感度が上がりはじめ、最高ISO1600まで自動的に上がる。暗いところでノイズよりブレ低減を優先したいときや、よりシャッタースピードを速くしたいときに便利だ。
COOLPIX S51cはボディが薄くてきれいな曲面になっており、なかなか持ちやすくて撮りやすいカメラだが、操作のリズムがあまりよくない。
まず正面の電源スイッチ。ちょっと長押しが必要なので、スイッチがちゃんと入ったかどうか分からないことがある。
電源スイッチを入れると1秒ちょっとで液晶モニターが点灯するのだが、この時点ではまだダメで、さらに1〜2秒待って画面に撮影情報表示が出てはじめて撮影可能になる。つい最初の液晶モニター点灯時でシャッターを押してもダメなのである。ちゃんと撮影準備ができてから押し直す必要がある。最近のコンパクトデジカメとしては起動はちょっと遅めである。
操作面の特徴はなんといっても、3インチの大型液晶モニターとその右にある円形のセレクター。上下左右を押すと十字キーとして、指先で回すと回転式のロータリーセレクターとして働く。これは便利。
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