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価値あるBDビデオカメラ――日立“BDカム Wooo”「DZ-BD7H」レビュー(1/4 ページ)

» 2007年10月12日 09時27分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]

 この秋、ビデオカメラが大いに盛り上がっている。各社から続々と新製品が登場し、これまでにないような熱い競争が繰り広げられている。それらに共通するキーワードはいくつかあるが、最大のアピールポイントは「ハイビジョン録画」だろう。

 この秋に登場したモデルは、ほぼすべてがハイビジョン記録モードを持ち、その半数以上が1920×1080の「フルハイビジョン」対応をうたっている。確かに映像クオリティをアピール際にこの言葉はとても分かりやすい。

 しかし、スペックをよく見ると、フルハイビジョンといっても詳細は製品ごとに異なっていることが分かる。撮像素子/記録画素数ともに1920×1080の“真性フルハイビジョン”製品は少なく、撮像素子は1440×1080ながらも画素補完技術で1920×1080で記録する製品が多い。逆に撮像素子は1920×1080だが記録は1440×1080という製品や、撮像素子/記録ともに1440×1080という製品が「フルハイビジョン」と表記されることもある。

“真”フルHD&BD規格準拠の高い汎用性

 日立製作所の“BDカム Wooo”DZ-BD7H/DZ-BD70は撮像素子/記録画素数ともに1920×1080の“真性フルハイビジョン”ビデオカメラであり、記録メディアとして8センチのBlu-ray Disc(BD-R/RE)を採用した初の製品だ。

photo “BDカム Wooo”「DZ-BD7H」

 記録方式にはBD規格に準拠したMPEG-4 AVC/H.264(BD-RE Ver.3.0およびBD-R Ver.2.0に準拠している)を利用するため、BD規格に準拠した8センチメディア対応ドライブを搭載する機器ならば本製品で録画したディスクが再生できる。AVCHDのように見た目はDVDだが、DVDプレーヤーで再生できないといったことはない。

 また8センチとはいえBDであるため、1枚のディスクに最高画質のHXモード(1920×1080のフルハイビジョン)で約1時間の記録が可能。DVD+AVCHDのように最高画質だと15分程度しか録画できない、という現実離れした使い勝手の悪さもなく、実用性も良好だ。

 気になる映像のクオリティーのほうも、スペックから見るにかなりの充実度が推し量れる。撮像素子は総画素数530万画素の1/2.8型原色フィルターCMOS。有効画素数は動画で約207万画素となっており、1920×1080のフルハイビジョン録画に対応しており、撮像画素/記録画素ともに1920×1080となっている「真性フルハイビジョン」機だ。

 また光学系には、ゴーストやフレアを除去し高画質化を実現する9群12枚構成の専用レンズを新設計。撮影している映像を分析してノイズのみを低減したり、ディティールに発生する偽色を低減する「ピクチャーマスターFull HD」も搭載し、フルハイビジョンならではの美しい映像を追い求めたという。

 その実力を推し量るべく、さっそく実機を借りてテストを行った。DZ-BD7シリーズにはBDドライブのみを搭載するDZ-BD70と、HDDとBDドライブの両方を搭載するDZ-BD7Hの2モデルが存在するが、HDDの有無をのぞけば基本的な部分は共通であるため、今回はDZ-BD7Hをチョイスした。

photo 丸を基調としたデザインは、未来的でかなりスタイリッシュ。形からすると手前側にBDを納めそうだが、実際のドライブは反対側にある
photo 最大の特徴といえる8センチBD-R/REドライブ。DVD-R/RW/RAMを含めた5メディアに対応。DVD系へはハイビジョン映像を書き込みできないが、一般的なMPEG-2形式を採用するため再生機器を選ばないメリットがある
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