この「Foot POD」、どうやってスピードと距離を測っているかというと、中には3つの加速度センサーが内蔵されている。これらのセンサーは複雑な慣性センサー技術が用いられており、歩幅などが多少変わってもきちんと測定できるという。万歩計の場合は歩幅が変わると距離も違ってきてしまうが、「Foot POD」ならそんな心配はないわけだ。
使うときには、これをシューズの編み紐に引っかけて、腕の心拍計にワイヤレス通信でデータを送る仕組みになっている。ちなみに胸のトランスミッターベルトも、心拍計とワイヤレスでつながっている。使われているデジタル信号は皮膚など水分を含む有機物は通過しないという特質があり、体内組織に浸透する恐れはないと説明書には書いてある。
いざ現物を見てみると、心拍計自体はかなり安っぽい印象を受ける。まあ走るときに邪魔にならないように軽く作ったのはわかるが、それでも値段が値段だけにもう少しなんとかしてほしいとも思う。ただ、液晶表示は同社のほかのラインアップと同様、時刻表示が大きくてなかなか見やすい。液晶の外周には心拍数と運動強度の目盛りが印字されており、心拍数の測定値は液晶に数字が表示されるほか、この目盛りを液晶部から指し示すことによってアナログ感覚で値を確認できるようになっている。
ボタンは5つで、時刻表示になっている状態で右中央にあるMODEボタンを押すことにより、トランスミッターベルトとFoot PODの電波を自動的にキャッチして測定が開始される。トランスミッターベルトは胸に当てる電極の部分が樹脂製で、伸縮バンドで胸に巻き付けて使う。取り付けるときは電極の部分を少し水に濡らすと良いそうだ。
単純に心拍数を測るだけでなく、最大心拍数から有酸素運動や無酸素運動になる心拍数を算出して、3つのゾーンを設定する機能も付いている。こうしておくと各ゾーン内にいた時間が記録されて、トレーニング管理に役立つ。また、目標の心拍数の範囲を設定して、その範囲から外れた場合はアラームで警告する機能もある。トレーニング強度を管理する機能もあり、記録したデータは別売りの「PC POD」というUSB機器を購入することで、PCに転送することも可能だ。
実際に使ってみたところ、トランスミッターベルトの付け心地には少々違和感があるものの、走っているとすぐに忘れてしまった。自分の心拍数がリアルタイムに表示されるというのは、なかなか面白い。脂肪燃焼に効果的な心拍数で走るように調節すれば、減量にも効果的だろう。
ただ、1つ気になったのは電池の寿命だ。使い始めて1週間ほど経ったら心拍数が表示されないようになってきて、おかしいと思ったらバッテリー切れが原因だった。使用しているのはボタン電池のCR2032で、自分で交換可能とはいえ、できれば新品の電池を入れておいてほしかった。
「Foot POD」については、使い始めのときに近所のジョギングコースで距離を測ってみたところ、30メートルほどの誤差が出たので、設定モードでキャリブレーションして調整した。以後は実に正確に距離を測ってくれる。ときおり速度を速めたりゆっくり大股歩きに切り替えてみたりしたが、それでも誤差はほとんど出ない。これには驚いた。筆者は登山でハンディGPSを使っているが、感覚的にはGPSによる距離測定よりも正確のような気がする。スピードと距離がリアルタイムにわかるというのは、想像以上に快適で便利だ。ジョギング愛好家はぜひ試していただきたい。
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