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» 2007年10月19日 18時42分 UPDATE

「世界最大」A3サイズカラー電子ペーパー、ブリヂストンが開発

ブリヂストンが世界最大級(同社)というA3サイズのカラー電子ペーパーの開発に成功。表示中の電力消費がゼロという特徴をいかし、「環境対応製品」として訴求する。

[ITmedia]

 ブリヂストンは10月19日、世界最大級(同社)というA3サイズのカラー電子ペーパーの開発に成功したと発表した。試作品は10月24日よりパシフィコ横浜で開催される電子ディスプレイの展示会「FPD International 2007」に展示される。

 同社は2002年に電子ペーパー用の表示材として電子粉流体を開発(関連記事:電子ペーパーを綴る“魔法の粉”もうすぐ実用化)。その後にも大型化やカラー化など各種の機能を継続開発し、この度フルカラー・A3サイズを実現した。

photo 開発に成功したA3サイズのフルカラー電子ペーパー。表示エリアサイズは435(幅)×326(高さ)ミリ。色数は4096色で、解像度は80dpi

 表示方式は同社がこれまで取り組んできた「QR-LPD(Quick-Responce Liquid Powder Display)」。これは帯電時には粒子同士が反発するという電子粉流体の特性を利用し、この粉流体を内部に封入、そこへあたる光の反射で表示を行う。偏光板やバックライトなどは必要ないため構造はシンプル。粒子が液体内ではなく、空気中を移動するという構造から、液晶よりも高速な応答性(0.2ミリ秒)も獲得している。

 基板に付着した電子粉流体は通電を停止してもそのまま保持されるため、電源を切っても、紙にペンで書いたように表示内容が残るメモリ効果も期待できる。そのため、同社ではペーパーレスのポスターなどを実現する素材――「電子ペーパー」として環境保全の観点から訴求していきたい考えだ。

photo 上段がQR-LPDの構造。2枚のガラス基板の間に微細な小部屋を設け、そこへ電子粉流体を封入する

 カラー化に際しては粒子へ直接着色する方法もあるが、フルカラー化のため、表面にRGB各色を持つカラーフィルターを配置し、表現したい色の部分の粒子だけを帯電させることで任意の色を発色させる方式がとられている。一度帯電させればメモリ効果によってその色はそのまま表示されるため、電力が必要となるのは表示させる絵を切り替えるときだけで済む。

photo A3サイズのフルカラー電子ペーパーの表面

 また、同形式の電子ペーパーとしては世界最薄となる、薄さ0.29ミリのフルカラー電子ペーパー「フレキシブルタイプQR-LPD」の開発にも成功した。A3タイプは基板にガラスを利用しているために折り曲げられないが、このタイプは基板をプラスチック製とすることである程度の柔軟性も備えている。

photophoto 0.29ミリのフレキシブルタイプQR-LPD。表示エリアは162×121ミリ、色数は4096色

 「電子ペーパーは、表示中の電力消費がゼロなのがポイントだと思う」とは同社電子ディスプレイ開発室 電子システム技術開発ユニットリーダーの増田善友氏。TFT駆動ユニットを装着すれば動画再生も可能になると言うが、当面は“電力ゼロ”をメインに、表示の美しさや柔軟性など、紙的なメリットを向上させる改良を続けるという。

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