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平成生まれの「なまず」は地震予知のエキスパートになってくれるだろうか!?プロフェッサー JOEの「Gadget・ガジェット・がじぇっと!」(2/3 ページ)

» 2007年10月25日 13時18分 公開
[竹村譲,ITmedia]

 「地震予知」はまだ確立されたテクノロジーが存在しない分野だ。大地震の前に地震雲を見たという話や、感受性の強い人だけが感じる耳鳴り。多数のカラスが異常な時刻に鳴いたり、ファックスや携帯電話の誤動作、蛍光灯の点滅、ラジオのノイズなど、多くの異常現象が報告されているが、科学的な因果関係の実証が難しいことや、他の原因でも起こり得ることから軽視されている。とは言え、地震の予知ができるというふれ込みで「オジギソウ」が売り切れになるっているという話もある。「隠れた地震予知ブーム」でもあるのだ

 地震予知ではない「緊急地震速報」の「デジタルなまず」がメディアに取り上げられると同時に、民間企業で果敢にも「地震予知」機器の販売に挑んでいる企業がある。北海道の札幌に本部を置く「天山プロジェクト」がその会社だ。同社が販売している商品は、地震前兆感知器「ナマジー」というナマズ仲間だ。外観は目覚まし時計サイズの小さなユニットだ。パッケージには、ナマジー本体と、専用ACアダプター、ナマジーズ・メンバーカード、取扱説明書の4点が入っている。

photophoto パッケージには、本体、専用ACアダプター、ナマジーズメンバーカード、取扱説明書の4点が入っている(左)、ナマジーズメンバーカードには1台ずつ異なるユニークなIDが付けられている(右)
photophoto 利用者は日時の設定やユニークなID番号を設定する(左)、設定が終わると大都会の空間にナマジーが浮遊する(右)

 本体上面には3個のスイッチが配置されており、ナマジーの設定や、記録データの閲覧操作で使用する。前面には2インチサイズのカラー液晶が取り付けられており、ステータスパネルや設定時のモニターとして利用する。

 ナマジーは、地震予知のための「前兆を感知するクライアント機器」である。設置された場所に応じた設定を行い、その後、環境変化を取り込んだ予知情報を「ナマジーセンター」(サーバー)に送信する。最終的かつ理想的には、日本全国に散在した多数のナマジーユーザーから多くの予知情報が集積されることにより予知精度を上げてゆく「地震予知互助会的仕組み」なのだ。

photophoto コンパクトな筐体はコンセントさえあれば狭い場所にも設置可能だ(左)、電磁波や静電変化を感知するとナマジーはブザーを鳴らし赤く変化する(右)

 地震予知の基礎要素にはいろいろな事象が採用されるが、ナマジーが感知する事象は、「電磁波」と「静電気」の2つの要素だ。周知の通り、地震の多くは大陸プレートの移動により、複数のプレートが地球の表面から内部に入り込む時に大きな地滑りを起こすことが原因だ。大きな地震の事前活動として巨大な岩盤が摩擦し、ひび割れを起こし、岩盤の崩壊とともに強力な磁場が生まれ、強力な電磁波が発生する。地震雲は電磁波が原因との説もある。ナマジーの「電磁波センサー」はこの電磁波を感知するように作られている。

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