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» 2007年12月06日 16時14分 公開

「Xacti」から「Xactiケータイ」は生まれる?

水中撮影モデルからフルHD対応モデルまで、さまざまなバリーションを展開する三洋電機のデジタルムービーカメラ「Xacti」。進化の可能性のひとつは「Xactiケータイ」?

[渡邊宏,ITmedia]
photo Xactiの基本コンセプト

 三洋電機は12月6日、同社のデジタルムービーカメラ“Xacti”をテーマとした技術説明会を開催。製品の狙いや実装されている技術、将来への展望などが語られた。

 DVテープやDVD、HDDなどを記録メディアとする、いわゆる「ビデオカメラ」が運動会や結婚式などの舞台で活躍するイベントカメラとして利用される一方、Xactiシリーズは2003年の登場時から「動画も静止画もOK。そして気軽に撮影できる」を基本コンセプトとして製品を展開してきた。同社がXactiをビデオカメラではなく「ムービーカメラ」と呼ぶのは、そうしたイベントカメラからの脱却を狙っているからでもある。

 そのため、片手で気軽に構えられる小型軽量なボディや、写真と動画をシームレスに切り替えて撮影できる操作インタフェース、PCとの親和性が高いH.264の採用といった、ユニークな特徴を多く持つ。製品バリエーションも拡大しており、スタンダードといえる「DMX-CG65」を始め、水中撮影すら可能な「DMX-CA65」、スリムさを重視した「DMX-HD700」、1080iのフルハイビジョン録画に対応した「DMX-HD1000」と幅広く用意されている。

photophoto フルHD録画可能な「DMX-HD1000」(左)、ツートンカラーが新鮮な印象を与える「DMX-HD700」(右)

 Xactiのそうしたコンセプトを支える技術の筆頭が、独自設計されている画像処理エンジンだ。SDモデル向けの「ピュアフォースエンジン」、HDモデル向けの「プラチナエンジン」と2系統が存在するが、いずれもメモリの帯域幅を共有しながらも高速に動画と静止画を処理することが可能で、なおかつ、信号/圧縮などの処理系も集積度を高めることで、実装面積を小さく抑えることにも成功している。

 ハイエンドの「DMX-HD1000」に搭載されている「プラチナΣ(シグマ)エンジン」では独自のフルHD対応H.264コーデックの開発により、従来の2チップ構成から1チップ構成へと省スペース化が進められ、本体の小型化にも一役買っている。なお、エンジン内にはAE/AWB/AFの制御系はもちろん、手ブレ補正機能も実装されている。

 PCで扱いやすく、SNSやブログへアップロードしやすいH.264の採用も特徴のひとつ。現在展開されているH.264記録のXactiはコンテナにMP4を使い、動画をH.264、音声をMPEG-4 AAC-LCで保存するため、同じくH264録画を行う機種でも、「ビデオカメラ」の場合はコンテナにMPEG-2 TS、音声にDolby AC-3/PCMを利用するケースが多く、PCとの親和性はあまり高くない。

photo DMX-HD1000を手にする同社パーソナルモーバイルグループ DIカンパニー DI事業部 DI企画部 部長の豊田秀樹氏

 ただ、DMX-HD1000でフルHD撮影を行ったファイルを再生/編集するには、かなりハイスペックのPCが必要となる。モバイルノートPCでは、現行機種でも再生すら難しいかもしれない。720p対応の「DMX-HD1」を2006年に市場へ投入した際にも、同様の反応があったものの、PCのスペックが全体的に底上げされたのか、そうした声は聞かなくなってきたという。「DMX-HD1000のネックは先端的すぎたことだと思っている。2010年ごろには世間がついてくる」(同社パーソナルモーバイルグループ DIカンパニー DI事業部 DI企画部 部長 豊田秀樹氏)

 DMX-HD1000の投入で高機能ビデオカメラの領域にも足を踏み入れたXactiだが、これをきっかけに、すぐさま全製品をフルHD対応とするような展開は検討していないという。Xactiはさりげない日常を気軽に撮影する製品として認知されているが、「その軸をぶらさず、市場の拡大を促すような製品展開を行っていく」(豊田氏)という。

 逆に言えばそのコンセプトさえ外さなければさまざまな展開が考えられる。本体のさらなる小型軽量化や低価格化、高倍率ズームレンズの搭載などが考えられるほか、グリップボディを採用しない製品の登場すらあり得る。

photophoto Xactiの立ち位置(左)、同社の狙う利用シーン(右)。動画も静止画もこれ1台&気軽に撮影という製品となっていることがよく分かる

 そして“気軽さ”をさらに突き詰めていけば、将来的なライバルは携帯電話になるだろう。現在の携帯電話のほとんどは写真/動画の撮影が可能であり、持ち運ぶ気軽さに関してはもとより抜きんでてる存在だ。

 現在はまだ携帯電話とデジカメ、ビデオカメラはいずれも撮影機能を持つ製品ながら住み分けがなされているが、将来的に携帯のカメラが進歩し、Xactiがさらに手軽さを高めれば、同じフィールドで勝負しなければならない時期の来る可能性がある。または、EXILIMケータイやCyber-Shotケータイのように、Xactiのコンセプトや機能を備えた携帯電話“Xacti携帯”が登場するかもしれない。

 「Xacti携帯ですか? 商品企画の立場としては非常に興味深いですが、三洋電機の携帯電話事業は売却を前提とした話し合いがなされているので、なんともいえませんね……」(豊田氏)

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