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シンプルからミニマルへ進化した液晶テレビ、ユニデン「TL42DZ1」(3/3 ページ)

» 2007年12月20日 00時00分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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 既に触れたとおり、プリセットの映像モードは「スタンダード」「あざやか」「シネマ」の3種類だ。

 まず標準となる「スタンダード」はかなり落ち着いた画質。色調はニュートラルで白も鮮やかだが、発色も輝度も控えめ。見やすさ重視の日常用といった感じだ。店頭販売される製品では標準の映像モードでも派手気味な製品も多いが、本機の場合はそもそも店頭効果を狙う必要がないということも影響しているのだろう。

 「あざやか」も決して派手ではなく、むしろこちらが店頭販売される製品の標準に近い印象。「スタンダード」に比較すると全体にメリハリが強くなり、人肌に赤みが少し乗るが、色調が大きく変わるわけではない。白はより鮮やかになるが、シーンによっては若干飛びが気になるかもしれない。

 「シネマ」では輝度が抑え目で色温度が低く設定されたいわゆる映画向けの画質だ。ただし、こってりした色調になるわけではなく、輝度が低い分色の主張が若干強くなるが、さわやかな印象を維持しており、人肌はもっとも自然に感じた。部屋の照明を落とさず映画を落ち着いた画質で見るといった用途を意識しているのだろう。

 それぞれのプリセットの映像モードを見た印象は、まず“さわやか”。良い意味で主張が控えめで破綻が少ない。仮に量販店の店頭で比較されたら地味な印象を受けるかもしれないが、一般家庭で利用するなら適切と思える。輝度を欲張っていないためだろうか、ノイズっぽさも良く抑え込まれ、それでいてフルHDパネルならではの解像感は確保している。

 PCとはHDMI端子で接続する。今回はDVI端子からの変換ケーブルを用いたが、オーバースキャン設定を「切」に設定するだけで1920×1080ピクセルのドット・バイ・ドット表示が問題なく行えた。映像モード「スタンダード」のままでもPCディスプレイとして画質面での違和感もない。PCディスプレイ専用に使っても悪くないんじゃない、と思うくらいだ。

photo HDMI接続で1920×1080ドットの広大なデスクトップ表示が可能。今回はnVIDIA「8800GT」搭載のビデオカードとDVI-HDMI変換ケーブルで接続したが、調整不要でドット・バイ・ドット表示が可能だった
photophotophoto PCディスプレイと変わらないクリアな表示が可能。デスクトップはパネル一杯にきっちりと表示された
photophoto オーバースキャンの設定は内蔵チューナー、外部入力別に入/切の設定が可能。HDMI入力時の音声は、HDMIによるデジタル伝送以外に4つの外部入力のアナログ入力を利用することができる

 なお、画質設定が標準のままだとコントラストの強い部分でオーバーシュートしたような影が出てしまうが、これは「シャープネス」がプリセットの映像モードでは「+4」に設定されているためだ。「0」に設定すると問題ないレベルに改善される。この点でも入力別に画質を設定できないのはやはり惜しいと思ってしまった。

デジタルハイビジョン放送をシンプルかつ便利に楽しみたい人へ

 同社の国内向け液晶テレビはまずデジタルチューナーレスから始まり、昨年のデジタルチューナー内蔵、本機では電子番組表とデータ放送の対応と機能を追加してきた。しかしシンプルさにこだわる姿勢は一貫しており、本機においてもデジタル放送を便利にする機能は追加されたものの、付加機能はほとんどない。この点は、メリットとして使い勝手に反映されている。

 本機の魅力は、やはりデジタルハイビジョン放送を視聴したり、レコーダーを組み合わせて楽しむために必要な最低限の機能を盛り込みながら、シンプルな使い勝手と低価格を実現している点だろう。とにかくデジタル放送を手軽に楽しみたい人には一考の価値がある製品といえる。なお、32V型以下はWXGAパネルとなるが、20インチから42インチまでデザインと機能がほぼ統一された5モデルが用意されており、サイズと価格で柔軟に選択できる点も付け加えておく。

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