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» 2008年01月15日 11時32分 UPDATE

あのデジカメ、ココが気になる:無線LAN「環境」が問題か――COOLPIX S51c「無線LAN」(後編)

携帯カメラ感覚で写真を送信できる、ニコン「COOLPIX S51c」の無線LAN機能は想像していた以上に快適。ただ、無線LANを利用するがゆえの課題もある。

[小山安博,ITmedia]

無線LAN「環境」が課題か

photo 無線LAN内蔵デジカメ、ニコン「COOLPIX S51c」

 前回見てきたように、ニコン「COOLPIX S51c」(→レビュー:写真を公開する楽しみ――ニコン「COOLPIX S51c」)。の無線LANは、非常に手軽に画像を転送できる便利な機能だ。IEEE 802.11b/gに対応しており、大きな画像も比較的スピーディに転送できるのがうれしい。

 同社は「ピクチャーバンク」「ピクチャーメール」という無線LANと連携するオンラインサービスを用意しており、そうした点も無線LANの使い勝手を高めている。ピクチャーバンクは無料で2Gバイト、月額350円で20Gバイトという大容量(2008年2月末までは20GBも無料)。最初に利用する際には簡単な手続きが必要だが、あとは簡単にアップロードできるのがいい。

 最大の問題点は、SSIDやメールアドレスの入力などに非常に手間がかかるという点だろう。S51cはなめらかに回転するロータリーマルチセレクターを採用しており、通常の十字キーよりも入力はしやすいが、それでも1文字ずつ文字を入力していく手間はかなりのものだ。

 とはいえ、ニコンもきちんと解決策を用意してくれており、カメラとPCをUSBで接続し、付属ソフトを使うことで無線LANの設定や宛先の設定などをPCで行えるようになっている。外出先で急ぎ新規のAPを登録といった場合には対応できないが、それでも手段が用意されていることで安心できる。

photo SSID設定画面。WPAの設定なども同様に、ロータリーマルチセレクターを使って1文字ずつ入力していく

 無線LANを使うため、最初の設定が必要なのは仕方ないところで、特にSSIDやWPAといった無線LANの語句や設定が分からない人が使うのは少々難しそうではある。その意味ではカメラではなくPCの上級者向けの機能といえるかもしれない。

 これはニコンのせいではないのだが、無線LANを利用できるエリアが限定されるのも難点といえる。公衆無線LANは普及しつつあるとはいえ、どこでも使える、というわけでもないし、使えるのがBBモバイルポイントとホットスポットに限られ、利用料も必要となる。ただ、最長1年または2009年2月末までBBモバイルポイントが無料で利用できるキャンペーンも実施中なのでここはぜひとも利用したい。

「ZEROProxy」にトライしてみる

 いずれにしても無線LANがない環境でも画像が送れたら、というわけで、今回試してみたのが伊勢シン氏作のオンラインソフト「ZEROProxy」だ。これはW-ZERO3やEM・ONEといったWindows Mobile機の通信機能をその他の機器と共有し、Windows Mobile機の回線を使ってインターネットに接続するためのソフト。このソフトをインストールしたWindows Mobile機がそばにあれば、無線LANがない環境でも、iPod touchのような無線LANのみにしか対応しない機器をインターネットに接続できるようになる。

 これが使えれば、無線LANがなくても、いつでも画像を送信できるし、W-ZERO3やEM・ONEであればデータ定額で利用できるので安心。ということで試してみたのだが……残念ながらこれが使えなかった。

 ZEROProxyはWindows Mobile機上でプロキシとして動作するため、接続する機器(この場合はCOOLPIXS 51c)がプロキシ接続に対応してなければならない。ところがS51cはProxyに関する設定が用意されていないため、Windows Mobile機に接続できないのだ(S51cはIPアドレスやデフォルトゲートウェイの設定もできるので、あとはプロキシ接続とポートの設定ができればつながるはず)。

 デジタル一眼レフカメラ用無線LANアダプターのように、撮影画像を直接PCに転送するのではなく、COOLPIX S51cの無線LAN機能はオンラインアルバムサイトやメールをいったん経由する仕組みだが、それでもケーブルをつなぐ必要も、カードを取り出す必要もなく、手軽に画像を転送できるという点は便利だ。

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