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iPodをホームオーディオの主役にするLars&IvanのハイブリットアンププロフェッサーJOEの「Gadget・ガジェット・がじぇっと!」(3/4 ページ)

» 2008年01月29日 08時30分 公開
[竹村譲,ITmedia]

 さて、一番大事な組み合わせるスピーカーだが、PA40Tiの販売元であるLars&Ivanからは2種類のスピーカーが用意されている。「CUBE-S」と呼ばれる木製キャビネットにホワイトのラッカー仕上げというなかなかオシャレなスピーカーと、約16ミリ厚のアクリル板を贅沢に使った少し小振りな「BoBo」と呼ばれるスピーカーだ。スピーカーの側面がアルファベットのBの形をしていることから命名されたらしい。

 前者のCUBE-Sは、名前の通り、縦×横×高さのすべてが230ミリの立方体エンクロージャーを採用したユニークな製品だ。128ミリ径ウーファーの中央に高域用ドライバーを取り付けた同軸2ウェイのコアキシャル型スピーカーユニットを採用している。背面に2本の円筒形ダクトを備えたバスレフ構造を採用し、立方体という音響的には制御の難しい構造を補完し、見た目のユニークなデザインと音質面の折り合いを付けている。

photophoto CUBE-Sは3本のピンが床との接触を最小化してお互いの影響をミニマムにする(左)、PA40TiとCUBE-Sの組み合わせは出窓オーディオやデスクトップオーディオに最適(右)

 後者のBoBoは、バッフルに厚手のアクリル板を使用し、スピーカー全体を支えるスタンドにアルミを使用している。スピーカーユニットには、100ミリのフルレンジ用と20ミリの高域用、2個のドライバーユニットを使用している。エンクロージャー後部にはラウンド型のプラスティックを使用し、曲面を上手くチューニングしたバスレフ方式を採用することによって、デザイン的な先進性と優れた音響特性の両立を目指している。

photophoto 横から見たBoBoは「B」のシルエットが美しいオシャレでコンパクトなスピーカーだ(左)、インテリアにコンシャスなユーザが、より小さなスペースに設置するオーディオとしてPA40TiとBoBoの組み合わせはベストバイだ(右)

 最後になるが、PA40Tiと2種類のスピーカーである「CUBE-S」と「BoBo」を組み合わせて、ほぼ丸1日、30枚以上のCDを聴いた。大ざっぱではあるが、iPodをコアシステムとしたホームオーディオ装置の購入を検討している人の参考材料になれば幸いだ。筆者は普段リビングではB&OのBeoSound9000を、自室のデスクトップ・オーディオとしてBoseのAWMSIIを使用している。音楽ジャンルは雑食系で、ヘビメタからクラシックまで捕らえどころがない。

 一般的なイメージに反して、音があまり前に出てこないBoseの超大型CDラジオである「AWMSII」を普段から利用しているせいか、PA40TiとCUBE-SあるいはBoBoの組み合わせは、いずれも、音楽ソースの音が前面に飛びだしてくる極めて元気のあるイメージだ。素材が再生音の傾向を決めてしまうことは多いが、木製のエンクロージャーを採用したCUBE-Sに比較してBoBoはよりクリアで輝いた音だ。エンクロージャーサイズの影響か、低域は少し不足気味に感じる人もいるだろう。これは、ウーファーの追加などでチューニングする楽しみとなるだろう。

 特徴的なのは、ボーカルの再生クオリティが極めて高いことだろう。最新のデジタルマスターだけではなく、30年以上昔のマスターから起こされた懐かしいCDでも素晴らしいボーカルを聴かせてくれる。筆者の大好きな懐かしいジェスロ・タル「My Sunday Feeling」や、レイ・チャールズ「Seems to be the hardest」などがその代表例だろう。

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