ITmedia NEWS >

手ブレと被写体ブレを防ぐ、安心定番コンパクト――「IXY DIGITAL 20IS」レビュー(2/5 ページ)

» 2008年02月12日 08時30分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

2つの「キャッチテクノロジー」

 さて気になるのは「モーションキャッチテクノロジー」である。

 特にモーションキャッチテクノロジーに関するメニュー項目はなく、ISO感度の設定を「高感度オート」(ISO HI)にすると自動的にこれが働く。つまり、「ISO HI」にしたときの振る舞いが大きく変わったのだ。

 今までの「高感度オート」は少しでも高速シャッターを維持するようなプログラムになっていた(絞りは原則として開放にし、ISO感度は早めに上げ……)。それによって被写体ブレの少ない撮影が可能だったが(動くものを撮るときに便利だった)、ISO感度を早めに上げるため、画質が落ちやすいという欠点を持っていた。

 今回も基本的には高速シャッター指向であるが、手ブレや被写体ブレをカメラ側で検知して、ブレる心配がないときはISO感度を抑えて画質重視のセッティングがなされるようになった。

 ただし、ISO感度は露出決定時に決まるのではAFと同様「シャッターを半押しにした時点」で固定される。シャッターを切る瞬間ではなく半押しにした瞬間なので、半押ししたあとは動こうがブレようが感知してくれない。よって、いったん半押しで止めるクセがある人には予想外の結果になることもある。シャッターボタンを「一気押し」する人向けの機能である。

 実際に使ってるとけっこう判定がシビアで、静物を撮るときでもちょっとした加減でISO感度が1段くらいは変わってくる。特に意識して画質を保ちたい人や三脚を使う場合はISO感度はマニュアル設定した方がいい。

 ちなみに、同じように動きを検知してISO感度をコントロール(インテリジェントISO感度)する製品としてはパナソニックのLUMIXシリーズであるが、あちらは20ISに比べて感度を低めに抑えたがる傾向が強く、逆に20ISはシャッタースピードを早めに保ちたがる傾向が強いという感じ。

 今回のモデルではISOブースター機能はなくなった。ISOオート時にボタンを押すことでブレない感度まで自動的に上げてくれる機能だが、高感度オートとかぶるところがあり、よりシンプルにしたのだろう。

,MENUキーで出るメニュー。AFフレームを顔優先にすると「フェイスキャッチテクノロジー」が働く。ほかには9点測距のAiAFと中央固定AFがある(左)。レビュー(撮影後の確認画面)時にピント位置を拡大して右下に表示してくれる機能もある。瞬時に大まかなピントチェックができるので便利(右)

 もうひとつの「キャッチテクノロジー」はお馴染みの「フェイスキャッチテクノロジー」。こちらも進化した。顔検出をしたら顔に合わせて露出とホワイトバランスを決定し、さらにストロボをたくときも顔にあわせた調光を行うことで、より肌を重視したセッティングで撮れる。

顔認識画面。顔認識はなかなか早い(左)。ピント位置確認がオンになっていると、半押し時にこのように顔がアップになる(右)

 面白いのは、ピント位置拡大表示で、顔を検出した状態で半押しすると顔の部分がアップで表示される機能。半押ししないと使えないが、表情を見ながら撮るときにいい。

 また、複数の人物を検知したとき、指定した人物だけを追う「顔セレクト」機能もある。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.