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手ブレと被写体ブレを防ぐ、安心定番コンパクト――「IXY DIGITAL 20IS」レビュー(3/5 ページ)

» 2008年02月12日 08時30分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

視野角の広い液晶とこなれた操作系

撮影時のスタイル。ボディが微妙にカーブしている「ライト・カーバチャーボディ」となっている。鏡胴まで黒くするなどデザインへのこだわりは細かい(左)。上面から。上面には10と同様ブラックの帯が入り、電源とシャッターボタンが並ぶ。シャッターとズームレバー周りのデザインは10と同じだ(右)
背面。2.5インチの画面は再生時のもの。右上の黒いスライドスイッチで静止画・動画・再生を切り替える(左)。撮影時の画面。右のドーナッツ型十字キーで基本的なセッティングを行う。十字キーの左上にあるのがイージーダイレクトボタン(右)

 20ISの基本的な操作系は10と同じ。背面には円形の十字キーがあってその周りに大きなボタンが3つある。撮影・動画・再生の切り替えはメカニカルキーだ。機種によってここがモードダイヤルだったり、再生ボタンが別途用意されているなどIXY全体での統一は取れてないのが気になるが、20ISは10のそれを踏襲したということだ。

十字キーの上がISO感度設定。高感度オート時の振る舞いが今回は大きく変更された(左)。FUNCメニュー。ここで撮影モードや露出補正、ホワイトバランスの設定などを行う(右)

 FUNCボタンを押すと撮影時によく使うメニューが出てきて、撮影モード切り替え、露出補正、ホワイトバランス、マイカラーモードなどをセットできる。

 ストロボのスローシンクロオン・オフや赤目軽減のオン・オフがメニューの中にあってとっさの変更がしにくかったが、今回は発光モード切替時にMENUキーを押すことでその場でストロボ詳細設定ができるなど、細かい改善もある。

「イージーダイレクトボタン」の機能登録。顔セレクト機能や赤目軽減を割り当てられる。上級者なら露出補正やカスタムホワイトバランスボタンを割り当てるのもいい

 またイージーダイレクトボタンには任意の機能を割り当てられる。上級者は露出補正を割り当てるといいだろうし、人物をよく撮る人は顔セレクト機能を割り当てるといいだろう。

 液晶モニターは2.5インチ。視野角が広くて反射が抑えられているため、斜めからでもよく見える。ハイアングルやローアングル撮影時に便利だ。これはよい。

2.5インチの液晶モニターは「クリアライブ液晶II」。反射防止マルチコートで見やすく、このように視野角が広いのがよい(左)。バッテリーは薄型のリチウムイオン充電池で760mAhと、10と同じもの。右は充電器(右)

半押しをしない人々のために

 もしかしたら近い将来、このクラスのデジカメから「半押し」という概念が消えるかもしれない。例えば、以前三洋電機「DSC-E6」のようにシャッターボタンにタッチセンサーを仕込んで指が触れたとたんAFが動作し始め、シャッターボタン自体は全押しのみにするとか、あるいはそれすらなくすとか。でもカメラの動作が速く賢くなることで、すべてカメラ任せでOKとなれば、当然向かうべき道だろう。

 そんなことを考えさせられるデジカメであった。もっとも今の段階ではその辺が中途半端ではあるけれども。

 あと、細かいことだけど、製品には32MバイトのSDメモリーカードが付いてくる。いまどき「お試し」みたいな低容量SDメモリーカードを付属させるくらいなら、その分内蔵メモリを搭載していざというとき使えるようにしてもらった方がうれしいんじゃないかと思うのだが、どうだろう。

 カメラとしては、丸みのあるデザインが手に優しいし、薄型軽量モデルに待望の光学式手ブレ補正が付いたということで、安心して使える定番コンパクトといっていい。絵的にも安心して使える。広角が欲しい人はちょっと大きいけど、910ISを、それより大きさ・軽さが重要な人は20ISという感じで考えたらいいだろう。

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