ITmedia NEWS >

60GバイトHDD内蔵でもコンパクト――パナソニック「HDC-HS9」レビュー(2/5 ページ)

» 2008年02月18日 10時38分 公開
[浅井研二,ITmedia]

 ただし、SDのみ対応の「HDC-SD9」はさらに幅と高さが1センチ弱ずつ小さく、質量も110グラム以上軽い。小型軽量という面では「HDC-SD9」に及ばないととらえるか、60GバイトのHDDを内蔵したわりには最小限の差ですんでいるととらえるかは、ユーザーの用途や価値観にもよるだろう。

photophoto モニタは約30万画素の2.7型ワイド液晶を搭載。POWER LCD EXTRAボタンを押すと、バックライトの明るさ(標準以外に2段階)を上げられる(左)、液晶モニターを開いた部分には、十字キー(右上の青い丸で囲まれた部分)、オート/マニュアル切替、各種操作ボタンのほか、A/V端子、D端子、USB端子を配置。ちなみに、PCにUSBマスストレージ接続した場合、SDメモリーカードは読み書き可能だが、HDDは読み出しのみ対応となる

 撮像素子は総画素数56万画素の1/6型CCDを3基利用した3CCD方式で、動画撮影時・静止画撮影時とも有効画素数は52万画素×3。画質については、輪郭周辺や暗部などに若干ノイズが目立ったり、ぱっと見の明瞭さではキヤノン「HF10」ほどではないかもしれない。ただ、その分、逆にコントラストや色合いにおいて強調された印象はなく、自然で見やすい映像だ。撮影する場面や対象にもよるが、解像感も十分にあるといえる。

 ただ、静止画撮影に関しては、解像度が動画と同じ1920×1080に固定されており、圧縮率を2段階から選べるのみ。高精細な写真撮影にも活用したいというユーザーにはちょっと不向きだろう。一方で、写真撮影の新たな用途として、「HD高速連写」機能を搭載。メニューで「高速連写モード」を設定し、フォトショットボタンを押せば、秒間24コマの撮影(合計72コマ)を3秒間実行する。

photo モードダイヤルは電源のほか、「HDD撮影」「カード記録」「再生」の切り替えも行う。バッテリ装着部の上に配置されているのは、「顔検出&AE」「PRE-REC」ボタン。「PRE-REC」は撮り逃しを防ぐ機能で、内蔵メモリに常時3秒間の映像をバッファしつづけるため、撮影開始時に3秒前からの映像・音声を記録可能だ

 「HDC-HS9」では「HF10」と同様に“24pデジタルシネマモード”での動画撮影にも対応しているが、HD高速連写の場合は単一ファイルではなく、連続したJPEGファイルとして保存されるため、用途によって使い分ければいい。ファイルの保存先はHDDまたはSDメモリーカードの「DCIM」以下となるが、通常の静止画ファイルとは別のフォルダに分けて入れてくれる。

 撮影モードは、電源スイッチ兼用のモードダイヤルで「HDD撮影」「カード撮影」「再生」から選択。動画と静止画のモード切り替えはなく、「HDD撮影」または「カード撮影」で撮影開始/一時停止ボタンを押せば動画撮影、フォトショットボタンを押せば静止画撮影となる。動画撮影中の静止画撮影も可能だが、動画撮影を優先するため、品質はやや落ちる。また、撮影ずみの動画から静止画を切り出す機能は備えていない。

十字キーでの操作にはやや難ありだが、全体的な動作は問題なし

 メニューの選択や撮影時のマニュアル設定など、多くの操作には「十字キー」を用いるのだが、液晶モニターを開いた部分に配置されているうえ、操作感覚が重くて使いづらい。ジョイスティックとは呼ばないだけあって(?)、軸が非常に短く、可動範囲も狭いので、思いどおりにちゃんと操作できているかどうかすら、いまいち分からないという感じだ。

photo 各種設定はMENUボタンを押して、十字キーで選択・決定していく
photo 撮影時には十字キーをフォーカス、ホワイトバランスなど、各種マニュアル設定に利用。オート/マニュアル切替スイッチを「MANUAL」にすると、画面右下に十字キーに対応した操作アイコンが表示される

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.