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60GバイトHDD内蔵でもコンパクト――パナソニック「HDC-HS9」レビュー(3/5 ページ)

» 2008年02月18日 10時38分 公開
[浅井研二,ITmedia]

 ただ、操作への反応速度自体は悪くなく、動作自体は快適にこなしてくれる。HDD撮影モードでの通常起動は5〜6秒で、セットアップメニューで「クイックスタート」をオンにしておけば、液晶モニタを閉じるとスタンバイモードに入り(レンズカバーは閉じない)、開けば約0.6秒で撮影待機状態となる。また、動画再生時の早送り・早戻しは10倍速と20倍速の2段階で、描画はかなり滑らかだ。

photo 本体の編集機能は、シーンの削除に加え、分割にも対応しているため、撮影した動画から不要な部分のみをカットしていくことも可能。ただし、シーンの結合には対応していない。また、プレイリスト作成機能はないため、HDDとSDの間でのデータ転送は、「全てのシーン」「シーン選択」「日付選択」でのコピーとなる(相互にコピー可能)
photo 再生モードの対象メディアは、キヤノン「HF10」と同様にタブ形式で切り替えられる。さらに、その下には「日付け別再生(DATE)」「オートスキップ再生」を呼び出すボタンを用意。オートスキップ再生を利用すると、正常に撮影された部分のみを自動的に検出して再生してくれる(カメラを素早く動かした部分や、ピンボケ、コントラストや明るさがおかしい映像などをスキップ)

 ズームレバーはレバーというよりもスライドスイッチに近い機構で、反応もややゆったりとしているが、操作上は特に問題ない。ただ、特に暗い環境でもややこしい場面でもないのに、ズーム時にフォーカスが追従しない(というか、一瞬ゆらぐ)ケースが時折見受けられた。

 ソニー「HDR-UX20」と同様に、顔検出機能も新たに搭載。あらかじめメニューで入/切を選んでおくのではなく、本体手前に用意された「顔検出&AE」ボタンで呼び出せるため、より能動的な利用が可能だ(つまり、人を撮影する場合のみに使えばいい)。機能的には顔がきれいに撮影できるように、「露出補正」「コントラスト視覚補正」「顔の画質補正」を行うというもので、「HDR-UX20」のようにフォーカスや記録時のビット配分にまで活用するわけではないようだ。

photo オートモードでも十字キーを押し込むと操作アイコンを呼び出すことができ、ヘルプモードなどを実行可能

 以前に比べれば、大容量メモリカードの価格もかなり手頃になっており、その意味でははたしてHDDは必要か否かという疑問を持つ人もいるかもしれない。DVDをHDDやメモリで補完する場合と比較すると、(容量以外の点で)大きく使い勝手が変わるわけでもない。

 ただ、「HDC-SD9」とサイズ的には大差なく、価格帯も同じとあれば、ラインアップの1つとして「HDC-HS9」が存在するのも十分にありだろう。特に長期間の旅行などで利用する場合には、PCやポータブルストレージを併用することなく、最高品質で7時間40分もの撮影が可能なので、非常に重宝するに違いない。

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