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第91回 スポーツとタイミングの関係今日から始めるデジカメ撮影術(1/3 ページ)

» 2008年02月28日 08時30分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

 久しぶりにスポーツものである。寒い冬に身体を動かして暖まる人々ということで、フットサル。今回はコンパクトデジカメと一眼レフで撮り比べてみた。

コンパクトデジカメは予測が大事

 スポーツ撮影というと望遠カメラってイメージがあるけれども、身近なスポーツならそんなものはいらない。普通に3倍ズームのコンパクトデジカメでも十分撮れる。

 フルコートのサッカーやグラウンドが広い野球で外野手を撮る、あるいは観客席から撮るとなると超望遠レンズを備えていないと難しいが、もっと気楽に、身近な運動を撮るのなら普通の3倍ズームの方がいい。むしろ近距離で望遠を使うと、動きを追いかけそこねて「顔が写らない〜」とか「ピントがあわない〜」というハメになりがち。

望遠で狙ってたらこっちにドリブルしてきて、ピントがあったときはすでに顔がはみ出てました

 そもそもカメラを意識しないで身体を動かしてる姿って、それだけで躍動感があって面白い。動いているところを捉えよう。小さく写りすぎたら後で「トリミングしちゃえばOK」というくらいの気持ちでいい。

 コンパクトデジカメで動いてる人を撮るときのコツは2つ。ひとつはピント。スポーツだと顔認識なんてしてる余裕はないので(そもそも、カメラの方を向いてくれないし)大変である。かといって、ピントがあわないうちに無理矢理シャッターを押すとピンボケ写真になったりするので、半押しでピントをあわせてからタイミングを見計らって撮影する、という手順を踏みたい。

 ではどうするか。左から右、右から左へ動いている人を撮るときはカメラとの距離がさほど変わらないので速めにピントあわせだけしておいて、待つべし。

ピントがあってない失敗写真(左)。タイミングを計って成功した写真(右)

 幸い、コンパクトデジカメは被写界深度が深い(つまり、手前から奥まで広い範囲にピントがあうので、多少ピント位置が前後してもOK)製品が多いため、この方法で結構撮れる。ドリブル中なんか狙い目だ。

 動いている被写体が相手だとピントが背景にあっちゃうことがある。

ピントが背景にあっちゃった

 それにも注意したい。例えば、同じ方向に手前の被写体(人間)と背景が混在してると間違って背景にあいやすいので、地面などピントが極端に前後しない場所の目印で一度ピントをあわせておくなんてのがいい。

 ついついボールを中心に追っちゃうと、こんな風に、ボールは真ん中にあるけど顔が切れちゃった、って写真になる。これは写真として不自然な上に、なんとなく不吉。

顔が切れちゃった

 そうならないよう、ボールが下に来るよう気をつける。もしAFポイントを自分でセットできるデジカメなら、あらかじめ画面の下の方にAFポイントをおいておき、そこでボールを追いかける感じにするとピントもボールにあいやすいし、おかしな構図になりづらくなる。あとはいざとなったら広角で撮っちゃえ、と。

ボールを追いかけて撮ったもの(左)。いざとなったら広角で(右)

 もうひとつの注意点はシャッタースピードを速くすること。晴れているからといって油断してはいけない。ヘンに晴れているとカメラの方であれこれ調整してシャッタースピードが遅くしていることがある。

 シャッタースピードは「絞り」や「ISO感度」と密接な関係を持ってるんだけど、小型のコンパクトデジカメは絞りが「2段階切り替え式」のものが多く、その場合、「開いてるか絞ってるか」しか状態がないのだ。で、あまりに晴れてるとカメラ側が絞っちゃうため、シャッタースピードがガクっと遅くなる。

 今回は好天に恵まれなかったためいいサンプルがないけれども、シャッタースピードには常に注意しよう。晴れてるのに意外に遅いときは、高感度モードやスポーツモード(大抵の機種ではこれにするとシャッタースピードを速めに保つようにしてくれる)にするといい。

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