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» 2008年03月04日 14時31分 UPDATE

あのデジカメ、ここが気になる:便利だが万能ではない――LUMIX DMC-FX35「おまかせiA」(後編)

LUMIX DMC-FX35の「おまかせiA」は、カメラを被写体に向けるだけでそのシーンを自動判別して設定をしてくれる。ただし、万能ではないことには注意が必要だ。

[小山安博,ITmedia]

便利だが万能ではない「おまかせiA」

photo カメラにおまかせで最適な撮影ができる「おまかせiA」を搭載した「DMC-FX35」

 カメラが自動でシーンを判別し、最適な設定で撮影できるという「おまかせiA」が真価を発揮するのは、ちょっとした瞬間、ふと目を引かれた瞬間を撮影する時だ。それが人であれば顔認識、小物だったら接写認識、景色だったら風景認識、夜だったら夜景認識、動物だったら動き認識、といったように、わざわざ自分で設定しなくても勝手にカメラが設定してくれるので、いちいちカメラの設定に頭を悩ませる必要がないからだ。

 カメラの設定に頭を悩ませる必要がないということは、自分で設定できる項目が少ないというにもなる。カメラ好きであれば、シャッタースピードや絞りなど、いろいろな撮影設定を自分好みに変えたいという人も多いだろう。そういう人にとっては、おまかせiAは物足りないと感じるに違いない。おまかせiAを選択していると、露出補正やISO感度、ホワイトバランスの設定もできない。

photo おまかせiAで設定できる機能は少ない。左から手ブレ補正方式、連写、画素数、液晶モニタの明るさ。あとはメニューからカラーモードと画像の縦横比が選べるぐらいだ

 それはおまかせiAが悪いのではなく、考え方の違いというだけだ。難しいことは考えず、ただカメラを向ければ、シーンにあったきれいな写真が撮れるというのがコンセプトなので、むしろ細かい設定ができる方が考え方に合わないだろう。

 とはいえ、おまかせiAのシーン認識が完ぺきではない、という点は注意したい。人物がいれば顔認識、被写体に近づけば接写認識、夜景なら夜景認識、というのはほぼ問題なく認識してくれるが、風景認識と動き認識はユーザーの意図とは異なる判断をカメラが下すことがある。

 利用してみた限り、屋外の撮影であれば風景認識になり、画面の多くを動く被写体が占めれば動き認識になるようだが、風景内の一部に(相対的に)小さな動く被写体があった場合は動き認識にはならない点と、流し撮りのような「ブレ」を効果として使うような撮影はできない点、シャッタースピードが遅くなると手ブレを防ぐために風景認識ではなく動き認識になる点は注意が必要だ。

photo 屋外だが、中央の水流があるためか「風景認識」ではなく「動き認識」として認識された

 夕闇迫る時間帯や屋内撮影のように手ブレしやすい場面で、ISO感度を上げてシャッタースピードを稼ぐ動き認識は便利だが、DMC-FX35には強力な光学式手ブレ補正もあるので、もう少しISO感度の上昇を緩やかにしてもらっても良かったような気もする。また、縦横一方向のカメラの動きに対してはISO感度アップを抑え、流し撮りできるようにする、というアプローチも有効な気がする。

 といっても、おまかせiAのコンセプトを考えれば、できるだけ手ブレ・被写体ブレを防ぐ方向に味付けされているのは当然ともいえるので、この辺りは無いものねだりなのかもしれない。

 しかし、一番困ったのは、接写認識でピント位置を選べない点。接写はピントがシビアになる分、意図しない部分にピントがあうと困るのだが、おまかせiAでは9点AFになるため、なかなか希望のポイントにピントがあってくれないシーンがあった。

 接写認識は中央1点AFで、必要に応じてAFロックをして撮影する、というのが初心者には難しいという判断なのかもしれないし、ほかのモードでは9点AF、接写認識だけ1点AFにするのが技術的に難しいということなのかもしれないが、この点は改善を望みたかった部分だ。

 いずれにしても、おまかせiAのような機能は、コンパクトデジカメでは今年のトレンドになりそうだ。単にシャッターを押して写真が撮れる、というだけなら携帯カメラでもできるし、本気で撮影するなら小型化・低価格化が進むデジタル一眼レフを選んでもいい。しかし、面倒な設定はしたくない/分からないというユーザーでも、より失敗のない、きれいな写真が撮れる(可能性のある)おまかせiAは、今後のさらなる発展を期待したい機能だ。

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