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» 2008年03月19日 11時35分 UPDATE

山本浩司の「アレを観るならぜひコレで!」Vol.10:松下「DMR-BW900」で見る「ボルベール<帰郷>」の色彩美 (1/2)

パナソニックのBlu-ray Disc レコーダー「DMR-BW900」は、BD ROM再生機としても高い能力を秘めている。とくにスペイン映画の「ボルベール<帰郷>」米国盤BDは見事だ。アルモドヴァル作品に見られる独自の色彩設計をしっかり描ききった。

[山本浩司,ITmedia]

 昨年暮れにパナソニックのBlu-ray Disc レコーダー「DMR-BW900」を入手した。以来、WOWOWやBS hiの映画プログラムを中心に、せっせとハイビジョン・エアチェックにいそしんでいる。

 ぼくの部屋には、110インチ・スクリーンとJBLの大型スピーカーを組み合わせた6.1ch大画面システム、それに50インチのプラズマテレビとエラックの小型スピーカーを組み合わせた4.1ch中画面システムという2系統のAVシステムがある。BD ROMなどのパッケージソフトの再生には主にスクリーン・システムを用いており、BW900は普段プラズマテレビにつないで、HDDに録り溜めたエアチェック番組は主にこの中画面システムで楽しんでいる。

photo パナソニックのBDレコーダー「DMR-BW900」

 週末、翌1週間分の番組表をチェックし、録りたい番組を見つけて録画予約を済ませておくというのが、もう半ば習慣化してしまったが、実際、BS放送のハイビジョン映画プログラムの画質のよさには感心させられることが多い。WOWOWで放送された「プライドと偏見」「マリー・アントワネット」「プラダを着た悪魔」など、映画のマジックが堪能できる素晴らしい画質で、日本のハイビジョン放送のレベルの高さに改めて感謝したい気持ちになる。

 前述した「プライドと偏見」や「キング・コング」のように、オリジナルはシネマスコープ・サイズ(1:2.35)なのに、それがビスタ・サイズ(1:1.85または1:1.66)に変換されていたり、圧縮率の高いAAC音声の質が低かったりという不満を抱くケースもあるが、月額数千円の受信料で、この素晴らしい画質で映画が思う存分楽しめるのは、何にせよありがたいことだと思う。

 BW900のHDD容量は、1Tバイト(約1000Gバイト)。転送レート24MbpsのBSデジタル放送がおよそ90時間分録画できる。ぼくはHDDに録画したものをまず50V型プラズマ・システムで観賞し、内容やクオリティで満足できなかったものは消去して、ROMでまだ発売されていない、残して置きたいものだけをBD-Rに焼く(ムーブする)というスタイルでやっている。そんなわけで、使い始めて約4カ月、HDDの容量にはまだまだ余裕がある。もっとも、HDオーディオ収録の音のよいBD ROMや最近ハマっているアナログレコード再生に時間を取られ、観ていないエアチェック番組がどんどん溜まっているのが現状だが……。

 本機には、放送のトランスポートストリーム(TS)信号をそのまま記録するDRモードのほかに、MPEG4 AVC/H.264エンコーダを使って圧縮し、ハイビジョンの解像度を保ったままHDDやBDへの記録時間を2〜4倍にできるAVC REC機能を持っている(DVD-R、RAMにも記録可能)。この画質が予想以上によく、12.9MbpsのHGモード(片面1層のBDに約4時間記録可能)、8.6MbpsのHXモード(同約6時間)の画質は、じゅうぶん実用レベル。50V型以下のディスプレイで、動きの少ない平均輝度レベルの高い映像だけを見ていれば、DRモードとの差をあまり感じないという方は多いのではないかと思う。1層BDに約9時間記録できるHEモード(5.7Mbps)になると、さすがに動きの多いソースで破綻が散見されるようになるが……。

 もっともぼくはこのAVC REC機能を日常的に使うことはあまりなく、残しておきたい番組のほとんどが2時間10分以内なので、転送レート24MbpsのWOWOW等の番組が130分ストリーム記録できる片面1層のBD-RにDRモードで焼くことが多い。3時間を越える長尺映画の「キング・コング」なんかはHD DVD、持ってるしね。

 さて、そんなふうにぼくのエアチェック生活の強い味方になってくれているDMR-BW900だが、加えて本機はBD ROM再生機として使ってみても、素晴らしい能力を秘めていることが分かった。わが家の110インチ・スクリーンシステムには、Ver.3.25にアップデートしたパイオニアのBDプレーヤー「BDP-LX80」をつないでいるのだが、本機BW900を移動しスクリーンシステムにつなぎ、BD ROMプレーヤーとしてLX80と比較してみると、映像のダイナミック・コントラストと切れ味、ロングショットの見晴らしのよさでLX80を陵駕していることが実感できる。なかでも、本機のROM再生機としての素晴らしさを実感したのは、スペイン映画の米国盤BD「ボルベール<帰郷>」であった。

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