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スリムボディに賢さをプラス――カシオ「EXILIM CARD EX-S10」レビュー(2/5 ページ)

» 2008年03月21日 10時21分 公開
[小山安博,ITmedia]

カメラが自動で撮影してくれるオートシャッター

photo オートシャッターは3種類。特にスマイル検出とブレ検出は積極的に使ってもいい

 EX-S10の注目は「オートシャッター」だ。カメラが最適な瞬間を判断して自動的にシャッターを切ってくれる、という機能で、カメラが自動的に判断するという意味では、笑顔を自動認識してシャッターを切るソニーの「スマイルシャッター」と同じような機能だが、カシオの場合はスマイルだけではないのが特徴だ。

 オートシャッターに用意されているのは、「ブレ検出」「流し撮り検出」「スマイル検出」の3種類。いずれも、シャッターボタンを押した時点でシャッターが切れるのではなく、カメラが設定した状況に応じて自動的にシャッターが切れる。

 「ブレ検出」は手ブレが止まった瞬間にシャッターが切れる。シャッターボタンを押す動作というのは、手ブレが起こる大きな原因となるため、シャッターボタンを押した瞬間はシャッターが切れず、手ブレが収まったとカメラが判断したらシャッターが切れる。

photo 敏感さは3段階から選択できる

 「流し撮り検出」は、流し撮り撮影時に被写体がぶれていないと判断された際、シャッターが自動的に切れる。「スマイル検出」は、シャッターボタン押下後、笑顔が検出されたらシャッターが切れる。それぞれ3段階の「敏感さ」が設定できる。シャッターが切れやすい、もしくは切れにくいと感じたら設定するといい。

 実際に使ってみると、シャッターボタンを押してもシャッターが切れないというのは一瞬違和感がある。従来のようにシャッターボタンを押す瞬間に気をつけるのではなく、ラフに構えてシャッターボタンを押し、しっかりと持ち直す、というような撮影の流れになるだろう。使い始めは慣れが必要に感じたが、すぐに慣れる印象だ。

 スマイル検出は顔検出機能を含んでいるので、顔にピントがあった時点でシャッターを押しておき、あとはその人が笑えば自動でシャッターが切れる。精度はなかなか良好で、敏感さを高くすると笑顔でなくてもシャッターが切れたりするが、それもご愛敬。連写を設定しておくと、笑顔を検出するたびに次々シャッターを切る、ということもできて便利。

 ちなみに、オートシャッターにしていても、もう一度シャッターボタンを押せば手動でシャッターを切ることができる。オートシャッターはその構造的にとっさのシャッターチャンスに対応するのは苦手なので、普段はオートシャッターをオフにしてシャッターチャンスに備えるか、普段はオートシャッターをオンにしつつ、とっさの時は2回押しでシャッターを切る、という2つの使い方のいずれかを利用スタイルにあわせて選択することになるだろう。

photophoto 顔検出の設定画面。特徴的なのは「Family」とある顔登録機能(左)。ガイドにあわせて顔を撮影すると、その顔をAFが優先的に追ってくれる(右は顔の登録画面)

 オートシャッター未使用時に顔検出機能だけを利用することもできる。他社に比べると特に顔が真正面でない時にちょっと効きが弱い感じもするが、速度的には特に不満のないスピードで検出し、顔が移動してもピントを合わせ続けてくれる。

photo そのほかにも、顔検出を人数優先にするか、スピード優先にするかを選べる。被写体が1〜2人の場合にはスピード優先にしておくといいだろう

 本製品の顔検出機能は、検出した顔を追尾してくれるのに加え、顔識別機能があるのも特徴だ。これにより、あらかじめ登録しておいた顔が画面内にあると、そこに優先的にピントを合わせることができる。

 実際には「ファミリー登録」というメニュー項目から顔を登録し、「パパ」「親戚」「おともだち」「ビジネス」といった名前を付けたり、優先度を設定したりできる。これはちょっと面白いし実用的な機能だ。

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