ここではレタッチ機能(カメラ内画像編集機能)が強化された。簡単レタッチ機能はボタン1つで自動補正をかけてくれる。
RAW現像機能はRAWで撮影した画像に対して、ホワイトバランス、露出、仕上がり設定の3つを調整して、それをJPEG画像として保存し直してくれるもの。パソコン上でレタッチするのは苦手という人でもRAWを気軽に使える工夫である。まずRAWで撮っておいてカメラ内で現像してJPEGにしてパソコンへ……という使い方ができるからだ。
記録メディアはSDメモリーカード。バッテリーパックはD40系と同じ「EN-EL9」。そのほか、基本的な構成はD40Xと同じだ。
こうしてみると、D60は40から数字が20増えたほどの大きな違いはない。今年の技術を搭載した「2008年版 D40X」という感じだ。価格もD40Xとさほど変わらず、手ブレ補正レンズ付きのレンズキットで実売価格は9万円弱と、非常に低価格なデジタル一眼レフとなっている。
残念なのは、ライブビューが搭載されなかったこと(もっとも、搭載されていたら価格も上がっていただろう。D80後継モデルへの搭載に期待か?)と、AF測距点が3点のままだったこと。
それ以外は、ゴミを付着しにくくする「エアフローコントロールシステム」と、ゴミをふるい落とす「イメージセンサークリーニング」機構はニコンユーザー待望の機能であるし(今後登場するニコンのデジタル一眼レフすべてに搭載されると思われる)、コントラスト差の大きな構図でも自動的にフォローしてくれる「アクティブD-ライティング」は気軽に一眼レフを使いたい人に最適な機能だ。
画像処理エンジンも新しくなり、オートのままでも、おおむね期待通りの結果を得られる。
派手な進化ではないけれども、D40とD40Xの差があまりなかったことを考えると、D40Xより過不足なく最新技術が取り入れられたD60はいい感じでラインアップを埋める、オーソドックスな小さくて軽くて安いデジタル一眼レフなのである。
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