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中級者も楽しめる高機能&低価格機――ペンタックス「K200D」レビュー(1/6 ページ)

» 2008年03月25日 08時30分 公開
[小山安博,ITmedia]

 ペンタックスからデジタル一眼レフカメラの新製品「K200D」が登場した。同時発表の「K20D」に比べると地味な印象もあるが、その内容は非常に充実している。

photo K200D。レンズはレンズキットの「DA 18-55mmF3.5-5.6AL II」

K10DとK20Dの間を埋めるスペック

 K200Dの外観は、既存のエントリーモデル「K100D Super」と比べるとややなで肩で、どちらかというと「K10D」に近い印象を与える。ただ、全体的にはK100D Superと大きな違いはなく、背面のボタンレイアウトはほぼ同一だ。

 背面液晶はK100D Superの2.5型(約21万画素)から2.7型(約23万画素)へと大型化。本体サイズは約133.5(幅)×95(高さ)×74(厚さ)ミリ、約630グラム。K100D Superに比べると重さは60グラムほど増え、全体的にやや大型化している。

 ただし、K200Dは同社によればK100D Superの後継機種ではなく、上位モデルという位置づけ。フラグシップの「K20D」を筆頭に、「K10D」「K200D」「K100D Super」という並びになる。入門モデルK100D Superの使いやすさと、上位モデルK10Dの高画質技術を継承した、ということだ。

 これはスペックにも表れている。撮像素子はK10Dと同じく有効1020万画素CCD(23.5×14.7ミリ)を採用し、画像処理エンジンには「PRIME」(PENTAX Real Image Engine)を搭載する。撮像素子のゴミ対策機能「DR」(Dust Removal)も採用したほか、新たに液晶モニターにCCD表面のイメージを表示してゴミの付着を確認できる「ダストアラート」機能も備えている。

photophoto 全体的なデザインの傾向は既存製品と変わらず。レンズマウントはKAF2マウント(左)、撮像素子はK10Dと同等の1020万画素CCD。K20DはCMOSなので、この違いは大きい(右)

 これまで通り、ボディ内手ブレ補正「SR」ももちろん内蔵し、シャッタースピード換算で最大約4段分の補正効果を実現している(K100D Superは最大約2〜3.5段分)。ボディはステンレスシャーシで、全60カ所のシーリングを施すなどして高い防塵防滴性能を備えている。

 このあたりはK10Dから継承された部分だが、実売10万円以下のモデルでは破格ともいえる防塵防滴性能を確保しているところは、ペンタックスの意気込みと良心を感じさせる。プロの写真家でなくても、海辺や川辺、ダスト舗装の校庭など、砂ぼこりや水跳ねのするような環境で撮影する機会はあるはず。こうした防塵防滴性能は安心して使えるという点でポイントが高い(とはいえ、その場合は万全を期すためにも防塵防滴の「DA★レンズ」を組み合わせたいが)。

photophoto 基本的なボタン配置はK100D Superと同等(左)、本体上部。ダイヤルはボディ背面の1つだけ。この辺りが上位機種のK20Dとの差。電源スイッチにある円のマークが後述するデジタルプレビューの起動位置。K20Dはここにライブビューが割り当てられている(右)

 主なスペックはそのほとんどをK10Dに準じており(A/Dコンバーターが14ビットである点などの違いはあるが)「お手ごろになったK10D」ともいえそうだが、K10Dに比べると電子ダイヤルが背面に1つだけというのがK200Dの位置づけを示している。

 K10DやK20Dは上位モデルとして前後に2つの電子ダイヤルを備えており、マニュアル露出もしやすくなっているが、K200Dでは後部のダイヤルだけなので、Avボタンと組み合わせて利用する方式になっている。

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