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» 2008年03月31日 08時30分 UPDATE

レビュー:超高画質を求める人向けの個性派デジカメ――シグマ「DP1」 (1/6)

一眼レフ用CMOSセンサー「FOVEON X3」を搭載し、銀塩写真なみの画質が再現できるというシグマの「DP1」。その実力はどうなのか、たっぷりの作例とともに見てみよう。

[荻窪圭,ITmedia]

 なんとも面白くてユニークで唯一無二のカメラが出たものである。ひとことでいうのは難しいし、だらだら書くと余計分からなくなるので、最初にまとめてみる。

  • 世界初のデジタル一眼レフの撮像素子を使った単焦点コンパクトデジカメである
  • 撮像素子はシグマの「SD14」と同じ、CMOSセンサー「FOVEON X3」を採用している
  • 撮像素子が大きいのでいわゆる「コンデジ」とは格段に……どころか画質的にはデジタル一眼レフそのものといっていい
  • それどころかFOVEON X3ならではの解像感も階調もきれいで味のあるよい絵が撮れる
  • UIはコンデジ的で操作はメニュー+十字キーが基本である
  • しかも動作も全体的に遅め。キビキビとはいえない。

 まあかなりいいところと悪いところがはっきりしたコンパクトデジカメなのである。

「FOVEON X3」というユニークな撮像素子

hi_DSC_4814.jpghi_DSC_4818.jpg レンズキャップを閉めた状態のDP1。見てのとおり、四角いボディにレンズが飛び出た形の極めてシンプルなデザイン(左)。レンズキャップを外して(着脱しづらいキャップなのが残念)電源をオン(右)

 シンプルな四角いボディにレンズが飛び出ているという極めてオーソドックスなスタイル。光学ファインダーはなく、別売りの外付けファインダーをアクセサリーシューにつけて対応する。撮影は背面の液晶モニターを見ながら行うわけである。まさにコンデジ。特にグリップ用の出っぱりもないフラットなボディが特徴的だ。

 さらにレンズは28ミリ相当の広角単焦点だから、「GR Digital II」(以下、GR)を連装させる。ボディサイズもGRよりちょっと大きい程度だ。

 でも、GRは1/1.75インチのコンデジ用CCD、DP1はAPS-CサイズのCMOSセンサー。そこが決定的に違う点だ。撮像素子がコンデジより圧倒的に大きいので、その分写りに余裕があるし、被写界深度が浅くてボケもきれいに出る。

 APS-Cサイズといっても、その大きさは20.7ミリ×13.8ミリ。35ミリフィルムに対して約1.7倍換算の画角になる。ちなみにニコンのDXフォーマットは23.6×15.8ミリだからいわゆるAPS-Cサイズデジタル一眼レフに比べるとひとまわり小さい。

 このAPS-Cよりちょっと小さな撮像素子がDP1の画質を語る上で欠かせないポイントとなっている。これはCCDではなく、FOVEON X3という米FOVEONが開発した非常に個性的なCMOSセンサーなのである。

 普通のデジカメ用撮像素子では、ひとつひとつの画素は光の強さしか感じない。だから、その前にカラーフィルターをつけて色情報を得ている。RGBそれぞれのカラーフィルタは「ベイヤー配列」と呼ばれる、以下のようなG(グリーン)が多めの配列になっている。

photo

 G(グリーン)が全体の50%で、R(レッド)とB(ブルー)は25%ずつ。1000万画素のセンサーの場合、Gが500万、RとBが250万画素ずつで合計1000万画素なわけだ。

 でも1000万画素のカラー画像には、当然RGBそれぞれ1000万画素必要なわけで、ベイヤー配列の場合、画素補完をして足りない分を補い、1000万画素サイズのカラー画像を作り出してるのである。

 対してFOVEON X3は1画素に対してRGBそれぞれ3層構造になっており(上から順に、BGRと波長が短い順に重なっている)、1画素からリアルにフルカラー分の情報を得られるわけである。

 ただし、画素サイズを大きめにとるため、DP1に搭載されているセンサーは「約470万画素」。RGBそれぞれ470万画素なので全部足したら1400万画素だが(カタログには1400万画素と書いてあるし)、基本的な画像サイズは2640×1760ピクセルだ。

 そのかわり、色を補完する処理が不要なため、解像感は抜群によい。ディテールにあやふや感はないし、等倍で見ても偽色がなくとても自然だし、雲一つ無い青空はほんとに滑らかだし、感度を上げたときのノイズにも不自然さは感じない。くっきりした味のある写真を撮れる。これはすごい。

 JPEG画像はややおとなしめなナチュラル系であり(もちろん彩度やコントラストなどの設定はできるけれども)、オートホワイトバランスにもやや不安を感じたので、こってりした絵が欲しい人、気に入った写真をちゃんと仕上げたい人はRAWで撮るべきである。

 現像は付属の「SIGMA Photo Pro」で行うことができる。

 今回の作例はJPEGで撮ったモノとRAWで撮って現像したJPEGデータの両方を用意した。そういう意味では、RAWとJPEGの同時記録モードがないのはとても残念。

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