カメラのセッティングができたら、次はどの位置からどのくらいのズームでどの角度で撮るか。もうこれは好みの問題でもあるんだが、ひと工夫の余地が一番あるところでもある。
まずは広角と望遠。
春になるとでかい花を咲かせてくれるシモクレン(のつぼみ)。紫はシモクレンで、真っ白なのはハクモクレン。でかい花がさいて派手に散る。
で、両者の違いは背景。広角だと背景が広くクッキリ写っている。お花畑や自然の中のように背景も一緒に撮ると雰囲気が出る場所ならともかく、背景がアスファルトの道路とマンションではちょっと味わいがない。そういうときは望遠側で撮ると、背景のボケも大きくなり背景の写る範囲も狭くなる。
ただし、コンパクトデジカメの場合、一番近寄れるのは「広角の時」。望遠側でどのくらい近寄って撮れるかはカメラによって全然違うので注意。背景にピントが合っちゃわないように。
次は光。
絞乙女っていう可愛い名前の椿を見つけたので撮ってみた。ピンク色でよく見かける「乙女椿」の一種のようだ。でも一番きれいな花がちょうど葉の陰に隠れてる。
そういうときは小道具がひとつあると便利。
小型の折りたたみ式「レフ板」。光を反射させるものでカメラ店に売っているけれども、花一輪だけを撮りたいなら、真っ白な紙でOk。光を反射させて花に光を当ててやればいいからだ。
レフ板で光を少し回してやり、ぐぐっと近寄ってプラスの補正をして撮ったのがこちら。
こんな風にほんのりと明るくなり、乙女っぽくなった。フラッシュを光らせてもいいけど、レフ板で反射光を当ててやる方が柔らかくなっていい。
次は角度。
自分はその花をどの角度から撮りたいか。横から撮るか斜めから撮るか正面から撮るかで全然違ったものになるし、背景をどうするかでもまた違った写真になる。
例えばポピュラーなチューリップを望遠で撮ってみた。
花びらがほんのり透けるよう逆光で撮ったのだけど、違いは背景。右の写真は、ほんのちょっと上から撮ったので画面中赤い花と緑の葉で埋まってて群生感が出てる。どちらがいいか、というよりは、趣味の問題。
春に咲く一番宇宙人っぽい花(ヘンな表現ですみません)といえばシャガ。アヤメ科の花なんだけど、あまりに花が特徴的で妖しげなので目にとまりやすい。
でも花にばかり目がいってると、全体像が見えなくなる。うまく全体像が分かる花はないかと探してたら、端っこにおあつらえ向きの1本があったのでさっそく撮影。
花が真横を向いてたのがラッキー。ちなみに、背の低い草なのでこの写真はしゃがんで、膝より下くらいの位置にカメラを置き、液晶モニターを斜めから見て強引に撮ってます。デジカメの便利なところなり。
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