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» 2008年04月16日 19時19分 UPDATE

Display 2008:「3Dホログラフィ液晶テレビ」の登場は近いか?

どこから見ても“立体”の映像が楽しめる「3Dホログラフィ」のデモをDisplay 2008で体験できる。早ければ3年後の2010年には自宅で3Dホログラフィ映像が楽しめるかもしれない。

[渡邊宏,ITmedia]
photo 浮かび上がる3Dホログラフィ

 メガネも使わず、どこから見ても“立体”の映像が楽しめる――そんな技術の展示をDisplay 2008のSeeReal Technologiesブースで体験できる。

 SeeReal Technologiesが展示しているのは3Dホログラフィ。ホログラフィは光の干渉を利用して立体像を再生する技術であり、同社の3Dホログラフィシステムによって映し出されたオブジェクトは、メガネなどを身につけずとも立体的に見える。

 ホログラフィの技術自体は以前から存在するが、映像を投影してリアルタイムにオブジェクトを作り出すのは困難だった。その理由は2つある。ひとつはデータ量の多い3Dオブジェクトを映し出すために、画素ピッチが非常に細かく視野角の広いディスプレイ(投影装置)が必要なこと(ピクセルが3Dシーン個々の対象物に関与するため)、もうひとつは装置に高い演算能力が必要とされることだ。

 これらの問題を解決するため、同社は「ビューウィンドウ」と呼ばれる考えを導入している。その考えには眼球を認識・追跡する技術が含まれており、視聴者が移動してもその人の目にだけ、必要なオブジェクトの映像データが送り込まれる。つまり、見ることのできる人数を絞ることで画素ピッチと視野角の問題を解決しようというアプローチだ。

 演算処理の効率化にはビューウィンドウを分割処理する「サブホログラム」技術が用いられている。この導入によって、フルHDの3Dホログラフィを既存のASICやPC向けGPUで処理することが可能になったという。

photophotophoto SeeReal Technologiesのプロトタイプ3Dホログラフィシステム。正面左右に眼球追跡の装置が組み込まれている。手前側に円筒形の筒があるが、オブジェクトはそこに決像するわけではなく、視聴していると手前から奥へ、奥から手前と自由に動いているように感じられる
photo SeeReal Technologies CEOのMark Thorsen氏

 ブースでデモを行っていた機材はプロトタイプのため、「オブジェクトの色がモノクロ」「反応速度が遅い」「暗い」「眼球認識の有効角度が狭い」「ビューウィンドウが小さい」といった改善を必要とする部分もある、製品実装時には解決するめどは立っているという。また、構造的には液晶テレビに近いため、2D/3Dホログラフィの「ハイブリッド液晶テレビ」といった製品も製造可能だ。

 映し出す映像ソースだが、既に存在する3D映像コンテンツについては同社の用意するエンコーダーによって3Dホログラフィ用に容易に変換できるほか、ごく一般的な2D映像コンテンツについても時間と費用はかかるが変換するとは可能だという。

 本技術の市場投入について同社では2010年ごろを予定しているが、同社CEOのMark Thorsen氏によれば、自社独自での製品化は現在のところ優先度としては低く、テレビやディスプレイメーカーなどとの協業を模索しているという。

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