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さらに高機能に、さらに使いやすく――キヤノン「EOS Kiss X2」レビュー(3/7 ページ)

» 2008年04月22日 08時00分 公開
[小山安博,ITmedia]

 ライブビュー中のAFは背面右上のAFロックボタンで行う。メニューの「カスタム設定」からライブビュー中のAF方式を選択でき、「クイックモード」で位相差AF方式、「ライブモード」でコントラストAF方式になる。

 40Dのような静音撮影モードはないが、コントラストAFの場合はAF時のミラーが上下に動かないので、相対的に静かに撮影できるのはメリットだろう。

 従来通りMFも快適に行え、AFロックボタンの隣にある拡大ボタンで5倍、10倍に画面が拡大され、光学ファインダー以上に正確なピント合わせが可能になる。MFとAFを上手に使い分ければ、快適にライブビュー撮影ができそうだ。

photophoto ライブビュー中のAFモードはカスタムファンクションから。シーンに応じて使い分けると良さそう(左)、ライブモードでAFがあったところ。AF枠が緑色に変わる(右)

 ライブビュー中に撮影設定を行う場合、十字キーはピント枠の移動で利用するため、ドライブモードやピクチャーモードの選択は、いったんライブビューを解除してから行うことになる。コンパクトデジカメや一部のデジタル一眼レフのように、ライブビュー中でも設定画面を透過表示してくれれば、わざわざライブビューのON/OFFを繰り返さなくてすむので便利だっただろう。

 ただし、独立ボタンが設けられているISO感度とホワイトバランスに関してはライブビューのまま設定が変更できる。よく使うこの2つがライブビュー中に変更できるのはいい。ホワイトバランスのボタン割り当て変更はこのためだったのだろう。

photophoto 拡大表示。10倍まで拡大するとかなり正確なMFが可能。ここまで拡大すると、レンズ内手ブレ補正でないと像が揺れてしまってピント合わせは結構大変だったりする

いつでもオンにしておきたいダイナミックレンジ拡大

 最近のデジタルカメラでは、ダイナミックレンジを拡大するための機能が搭載されることが多くなっている。Kiss X2にも同様の機能が搭載されており、「高輝度側・階調優先機能」と「オートライティングオプティマイザ機能」の2種類が搭載されている。

photophoto これはオートライティングオプティマイザの設定画面だが、「高輝度側・階調優先機能」も同様にメニューのカスタムファンクションから設定する(左)よく使う機能は、「マイメニュー」に登録しておくといい。複数のタブに散らばる機能を1画面で設定できるようになる(右)

 ただ、この2種類は機能としては異なる。「高輝度側・階調優先機能」は、ハイライト側の階調表現を向上させるためのもので、最低ISO感度がISO200になるかわりに、ハイライトの階調をなめらかにしてくれ、白トビしにくくなる。一方の「オートライティングオプティマイザ機能」は、特に逆光時の人物撮影時で顔が暗くなりそうな場合など、露出アンダーの部分を明るく補正してくれる。

 「高輝度側・階調優先機能」を利用するためには、カスタムファンクションの「高輝度側・階調優先機能」を「する」に設定しておく。そのときISO感度がISO100の場合はISO200に自動設定される。

 あとは撮影するだけ。効果はシーンによって異なるが、白トビした空に青空が戻るなど、ハイライトに階調が戻る。ISO200とISO100の差はあまり感じず、常用しても問題なさそう。機能オン/オフで撮影レスポンスにも特に違いはないようだ。

 「オートライティングオプティマイザ機能」も同様に、カスタムファンクションの「オートライティングオプティマイザ」を「使う」に設定することで機能がオンになる。「高輝度側・階調優先機能」とは異なり、ISO感度が変わるなどの変更はない。

 効果としては、逆光で顔が暗くなる場合、ストロボ撮影時に顔が露出アンダーになる場合、雪景色などでアンダー露出になる場合、低コントラストになる場合といった状況で、それぞれ自然な明るさ・コントラストに調整してくれるというものだ。

 面白いのは顔の補正に顔検出機能を使っている点。コンパクトデジカメの顔検出のように顔にピントを合わせるといった機能はないが、露出を最適化するために顔を検出しているようで、検出されたかどうかの画面表示は特にないが、さりげなく機能が投入されている印象だ。

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