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日常のヒトコマを手軽に動画で――ソニー「HDR-TG1」レビュー(4/5 ページ)

» 2008年04月23日 11時54分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

TG1は新しい市場をつかまえられるか

 薄くて小さくて外装にこだわったボディ。メディアは8Gバイトのメディアが付属。大容量バッテリーやワイコンには未対応。

 つまり、今までハンディカムを使ってきたユーザーやその予備軍以外の人々に、気軽にビデオカメラを使って欲しいという製品である。最近のビデオカメラとしては珍しい縦型なのも、そういうことじゃないかと思う。目の高さで長く回すには横型の方が安定するが、縦型の方が気軽に持てて大げさじゃない。

 確かに本格的に撮るならブレ補正は電子式ではなく光学式がいいし(HDだと特にブレが目立つから)、長回しするには長時間バッテリーが欲しいし、時にはワイコンも付けたいだろう。だったら従来のハンディカムが向いてる。

 でも、ちょっとしたビデオクリップ(1クリップが数分以内に収まりそうな)を楽しみたいなら、高い機動力を持ったTG1の方がいい。収納しやすいので旅行にもいい。

 子供の成長記録も生まれたばかりなら、ちょっとした仕草を日常的に記録していきたいだろうから、それなら本格的なビデオカメラより、ちょこまか撮れるTG1の方が向いてる。

 で、そんなビデオクリップ市場を狙って頑張ってきたのが三洋電機の「Xacti」シリーズだけれども、「ビデオカメラ」としての操作性や映像の安定性はやはりハンディカムに一日の長があるかな。

 大きな違いはXactiは「パソコンと仲良く」系アプローチなのに対し、TG1はやはりAV家電。撮影した映像は大画面テレビで楽しもう、パソコンはなくても(まああればより楽しめるけど)いいし、Blu-ray Discレコーダーがあればそっちにワンタッチで保管していけますと、そういう製品であること。

 TG1がビデオカメラ市場をどのくらい広げられるかは分からないが、製品としてのデキはしっかりしているし、見た目がビデオカメラっぽくないから意外なとこでウケるかもしれない。ビデオカメラを用意するのも大げさだよね、ってときでも気負わずに持って行けるもの。

作例

 同等の位置からHD1000(上)とTG1(下)で撮り比べてみた。どちらも圧縮はMPEG-4/AVCだがフォーマットは異なる。走ってくる電車を広角端で撮影したものをキャプチャ

走ってくる電車は望遠端で撮影したものをキャプチャ
こちらへ歩いてくる猫を撮影
望遠端で木の枝に止まっているオナガを撮影
撮影画質を変えて撮り比べてみた。左上から順に、FHモード・フルHD/HQモード・1440×1080/SPモード・1440×1080/LPモード・1440×1080。FH以外はアスペクト比が異なるため画像が縦長になっているが、これを16:9に変換すると実際に上映される映像となる。やや暗めの室内でも以外にしっかりした絵が録れる

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