2008年春・夏の液晶テレビハイエンドモデルとして東芝が投入した“REGZA”「ZH500」シリーズ。同時に「ZV500/RH500/CV500」の3シリーズが投入されるが、ZH500は46V型/52V型ともっとも大きな画面サイズを持ち、録画機能も充実している。今回は46V型の「46ZH500」を試用した。
46V型と52V型の違いは、パネルサイズとそれに伴う寸法と重量、消費電力くらいで、入出力端子数や詳細なデザイン、レイアウトまで含めてほぼ同じだ。唯一の機能的な差異は、左右各15度のスイーベル機能を46ZH500のみが備え、52ZH500ではおそらく重量の問題から省かれていること。なお、そのほかのシリーズとの機能差や位置付けは発表記事に詳しい。
まず注目したいのがデジタル放送の録画機能だが、テレビの録画機能そのものは別に珍しい機能ではない。最近は大きく取りあげられることもなくなったが、デジタルチューナー内蔵テレビでは以前からi.LINK端子を備える製品が存在し、アイ・オー・データ機器の「Rec-POT」のような録画用HDD(製品としてはレコーダーという位置付けだが、自力で録画再生する能力はない)を接続すればテレビの内蔵チューナーを使ってTS録画を行うことができる。デジタルチューナー内蔵テレビでは上位機種にi.LINK端子を持つものが多く、下位機種にはないといった形で差別化のポイントにもなっている。
では、ZH500の録画機能をチェックしていこう。録画機能はデジタル放送に限定されており、録画は全て放送波をそのまま記録するMPEG2-TSで行われる。デジタルチューナーは地上/BS/CSデジタルが2セットずつ搭載されている、いわゆるダブルチューナー仕様だが同時に録画できるのは1番組のみ。ただし、録画は常にバックグランドで行われるため、裏番組の視聴が可能。テレビとしての使い勝手を損なわないための2チューナーといえる。
2番組同時録画が可能な単体レコーダーと比較すると物足りない気もするが、単体レコーダーにもほとんど例を見ないユニークな機能もある。それは、録画先となるHDDの増設および接続の自由度が極めて高いことだ。
ZH500は、300GバイトのHDDを着脱可能なカートリッジの形で内蔵し、地上デジタル放送で約29時間(HD品質)の録画が可能だ。カートリッジは直販サイト(Shop 1048)などで販売されており、テレビ1台あたり4台まで登録し、一杯になったら追加購入して交換することもできるし、交互に入れ替えて利用することもできる。
いっぽう、録画保存先としてもっとも容易に増設できるのは、USB接続のHDDだろう。しかも専用の製品ではなく、いわゆるPC用の汎用的な外付けHDDをそのまま使える。もちろんHDDが組み込まれて販売されている製品だけでなく、HDDケースにユーザーがHDDを組み込んだ物でも大丈夫だ。ZH500が備えるUSBポートは1つで、同時に接続可能なUSB HDDも1台だが、内蔵HDD同様に8台まで登録が可能で、交換しながら利用することができる。
設置の自由度という点で魅力的なのはNASだ。PC周辺機器ベンダーとしてお馴染みのアイ・オー・データ機器、バッファロー製品が動作確認機種となっており、低価格製品まで含め、現行製品の多くが利用できる。これらは本来PC用として販売されている製品なので、実売価格もリーズナブル。またミラーリングやRAID5に対応する製品もあり、録画番組の保護を強固にすることができる。NASは最大8台を登録/接続可能だ。REGZAのZシリーズは背面にNAS専用のLANポートを備えているため、録画中もほかのLAN機器のトラフィックに影響されない(しない)。
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