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オリンパス「E-420」とパンケーキレンズの薄さを楽しむ(5/7 ページ)

» 2008年05月09日 18時31分 公開
[小山安博,ITmedia]

 全体的な画質は良好。E-3の画質を目指したということもあり、特に仕上がり設定を「VIVID」にした場合の青色の描写は気持ちがいい。高感度の画質も良好なので、高感度時のノイズ低減を低または標準に設定しておくといい。シーンによっては標準だとノイズ低減が強すぎて解像感が失われる場合があるので、ノイズは後処理に任せ、解像感を重視する低に設定してもいいだろう。

 E-420はデジタル専用設計のフォーサーズシステムを採用しているが、まだレンズ数は豊富とはいえない。しかし、その中でもE-420と同時発表された「ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8」は秀逸。25mm F2.8は小型軽量のパンケーキ型レンズであり、コンパクトなE-420とベストマッチ。ほとんどコンパクトデジカメ感覚で持ち歩ける。

 また、標準のキットレンズ「ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6」も、低価格ながらシャープな切れの良い写りをする。レンズも小さく、25mm F2.8をキャップがわりに装着し、状況に応じて14-42mm F3.5-5.6を付け替えれば幅広いシーンに対応できるだろう。

最強の町歩き用一眼レフか

 再生機能では、1画面100コマのサムネイル表示もサポート。カーソルのある画像が少し拡大する仕組みで、サムネイルサイズは小さくても意外に撮影状況がよく分かり、写真を探しやすい。カレンダー表示もサポートする。カメラを回転させると再生画像も自動で回転する機能も便利で、縦位置撮影した画像も確認しやすい。ほかにはスライドショー再生機能もあるが、機能としてはシンプルだ。

photophoto 100コマサムネイルとカレンダー表示。CFとxDの2メディアをサポートするためか、大きく[CF]と表示されているが、これは正直不要だと思う

 撮影画像の編集機能も多機能というわけではないが、JPEG画像に関しては階調オート/赤目補正/トリミング/モノクロ作成/リサイズといった補正が行える。RAW画像に関しては単にJPEG書き出しを行うだけのようで、これはちょっと残念。

photophoto JPEGとRAWの同時記録をしておくと、編集時にどちらを編集するか選択する(左)。JPEGの場合はいくつかの編集が行える

 E-420は、超小型軽量という点が最大の特徴ではある。しかし、単純に小型軽量というだけでなく、十分な使いやすさを追求。初心者向けの手軽な撮影機能だけでなく、豊富なカスタマイズ性と上位機種に迫る画質で上級者も楽しめる機種となっている。

photophoto 再生時に便利なのが、拡大したまま画像送りをする機能。複数の画像のピントチェックをする場合などに役立つ。緑色の枠が表示されるまでINFOボタンを押し、ダイヤルで拡大率を決めてINFOボタンを押すとその場所が拡大。十字キー左右で画像送りができる
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photophoto 個人的に気になったのは再生時の撮影情報の表示。2番目の撮影情報の表示は、記録メディア、記録画質、画像サイズ、撮影日、ファイル名、カード内の画像番号が表示されるのだが、ほとんど意味がないと思う。シャッタースピードやISO感度などの撮影情報はRGBのヒストグラムと一緒で画像は小さく表示されるだけ。ヒストグラム単体表示もむやみに大きい気がする

 普段の町歩きにもデジカメを持ち歩きたいけれどコンパクトデジカメの画質では満足できないし、レンズ交換の楽しみも欲しい、でも大きなボディは持ち歩きたくない。そんな難題に答えてくれるのがE-420だ。

photophoto 本体上部のデザインはE-410とあまり変わらない。ダイヤル類の形状は変更された(左)。バッテリーは専用リチウムイオン電池。公称の撮影可能枚数は特に公開されていないが、バッテリー自体はE-410と共通。E-410はCIPA規格で500枚(光学ファインダー)/330枚(ライブビュー50%使用)。利用してみた印象としては同等といった感じ

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