つまり、手軽に撮れるデジタル一眼レフらしい写真というのは「ボケを生かした写真」である。ぶっちゃけ、それが一番印象的だ。
だから、積極的にボケを生かしてみよう
簡単にいえば「できるだけ明るいレンズで絞りは開放、被写体は大きく広角より望遠で撮る」である。
人物や動物を撮るときは、目にピントを合わせるのが基本。斜めの顔なら、手前にある方の目だ。これはF1.4で撮った写真。
アップである程度しゃきっと撮りたいときは、F1.4なんて狙わず、F2.8〜4.0くらいにして撮るのがよい。どのくらいの距離でどのくらい絞ればどのくらい写るかは、いろいろ試しながら撮っていくうちに覚えていきます。
花のように立体的なものを撮るときは、おしべにピントを合わせると花弁がボケちゃうし、花弁にピントを合わせるとおしべやめしべがボケちゃう。
実は被写界深度は手前より奥に深い(つまり、被写体より手前の方がボケやすい)ので、こういうケースで、こことここの間がくっきりするように撮りたいと思ったら、手前に近い方に合わせるのがコツ。このくらいなら多少絞っても背景はボケてくれるので、2枚目はF7.1で撮っている。
逆にわざと絞り込むことで写真の印象をがらっと変えることもできる。
絞り込むと急に背景の他の枝や花がくっきりしてくるので、同じ場所で同じレンズで撮ったとは思えないゴチャッとした絵になるから面白い。
単なる風景も、明るいレンズでボケを生かすと印象的になる。
奥行きがある被写体だと、だんだんボケていく感じが分かって楽しいかも。これは単なる竹のさお。70ミリのF4.5で撮影。
手軽にボケを楽しみたいなら、望遠レンズを使うのが一番お手軽。
望遠レンズ(300ミリ)での写真だ。背景は枯れ木やら電柱やらできれいじゃないんだけど大きくボケてくれたおかげで助かってる。
文章にしてみると、考えることがたくさんあって大変そうで、さらにホワイトバランスをどうするか、ISO感度をどうするか、焦点距離をどうするか、もちろんどの角度から撮るか、構図全体の中で被写体をどこに置くか、その他もろもろの要素が絡み合ってくるのでめんどくさそうだが、だからこそ、同じ被写体を同じ場所で撮っても人によって全然違った写真ができあがる。
それが面白いわけである。
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