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写真を無限に保存できる「Snapfish」が日本上陸思い出を共有する

» 2008年06月03日 23時07分 公開
[後藤治,ITmedia]

 日本ヒューレット・パッカードは6月3日、Web上で写真のプリントを注文したり、アルバムを共有できるサービス「Snapfish」の国内提供を開始した。Snapfishは2000年4月に米国でスタートし、現在では5000万人以上のユーザーを抱える世界最大規模のオンラインフォトサービス。2005年にHPが買収している

 同日行われたプレス向け説明会では、ヒューレット・パッカード・カンパニーのSnapfishワールドワイド・ゼネラルマネージャであるベン・ネルソン氏が登壇し、サービスの詳細について解説。Snapfishを使って写真をプリントする楽しさや、ユーザー間で手軽に写真を共有し、“大切な思い出”を容量の制限なく保存できるメリットをアピールした。

1枚15円の高品質プリント、保存容量は無制限

 Snapfishの特徴は大きく分けて3つ。1つは低価格かつ高品質な写真プリントだ。Snapfishにアップロードした写真は、「プリントを注文する」というメニューから簡単な手順で注文でき、メール便(225円)なら3〜4営業日、宅急便(650円)なら1〜2営業日で手元に届く。L版プリントを1枚につき15円で提供するほか、マグカップやTシャツ、携帯ストラップなどに写真を印刷したフォトギフトも作成できる。また、初回はL版のプリントを20枚無料で行える。

SnapfishのWebサイト(画面=左)。アカウントの作成は非常に簡単で、名前とメールアドレス、パスワードだけでいい。プリントの発注をしなければ住所などの情報も求められない(画面=中央)。上部に4つのタブと右に目的別のメニューが並ぶシンプルなユーザーインタフェースだ(画面=右)

 2つめは、Snapfishに登録したユーザーどうしで写真の共有ができる点。メニューから「写真を共有する」でアルバム/写真を選択し、共有したいユーザーにメールを送ることで、メールの相手は写真の閲覧やプリントができるようになる。一度送信したメールアドレスはアドレス帳から呼び出せるようになるため、新しいアルバムを追加したときなども手軽に共有できる。また、共有するアルバムの「再共有を許可する」にチェックが入っていると(デフォルトで入っている)、共有相手がさらに別の人を招待できるようだ。なお、共有をやめたい場合は、登録したアルバム/写真を削除する必要がある。

写真のアップロードはWeb上からでも行える。ただし、複数の写真を一度にアップロードするときは専用ツールで行うほうが速い(画面=左)。写真のプリント発注も数ステップと簡単だ。サイズや枚数の指定のほか、日付の記入や自動補正機能などもある(画面=中央)。アルバムや写真を指定してメールを送ればほかのユーザーと共有が可能。メールを受け取った相手は、共有した写真の中からほしいものを選んでプリント発注できる(画面=右)

 3つめは、写真の保存容量が1年間無制限で利用できる点だ。そのあいだにプリントサービスを1枚でも利用すれば、写真の保存期間がさらに1年延長される。少なくとも年間240円(L版1枚+送料)を支払えば容量無制限のフォトストレージとして使える計算だ。ただし、Snapfishにはオリジナルの画像データをダウンロードする機能はなく、写真の閲覧も(閲覧用に生成された)低解像度のデータになるため、ローカルのHDDを代替する純粋なストレージとしての利用は実用的ではなさそうだ。

 このほか、コントラストの調整や赤目補正、画像のトリミングや回転、カラーフィルタの付加といった、簡易的な画像編集もWebサイト上から行える。

Web上で簡易的な画像編集機能を利用できる(画面=左)。写真をプリントしたTシャツやマグカップ、キーホルダーなどのフォトギフトも作成可能。ちなみに海外で人気のフォトブックは、今後日本でも提供される予定(画面=中央)。試しにSnapfishの対応フォーマット以外のファイルを拡張子だけJPEGに変更してアップロードしてみたところ、画面のようなエラーが表示された(画面=右)

「大切な思い出を守る手段」として

ヒューレット・パッカード・カンパニー Snapfishワールドワイド・ゼネラルマネージャのベン・ネルソン氏

 ベン・ネルソン氏は、Snapfishで最も重要なのは、ただのオンラインプリントサービスではなく、無償で無制限、かつ写真を共有できる点だと語る。実際、SnapfishのWebサイトを利用しているユーザーの動向調査では、その90%以上が何かを買う(写真プリントやギフトを注文する)のではなく、アップロードされた写真の閲覧や編集をしており、また、利用者の95%が友人や知人にSnapfishを推薦しているという。「Snapfishは写真を活用する包括的なサービスを提供することで成功した。写真の共有機能が全体の新規顧客の3分の1を生み出している」。

 さらに同氏は、2005年にハリケーン・カトリーナがニューオリンズ市を襲った際、1万人以上のユーザーがSnapfishに写真を保存していたためにデータを失わずにすんだというエピソードを紹介し、「ユーザーはただカメラに写ったものを見るのではなく、写真の背景にあるそれ以上のものを見ている。(Snapfishによって)それらの大切な思い出や家族の生活のすべてを管理することができる」と、日本のユーザーに向けて容量無制限で写真を保存できるメリットを強調した。

 「(日本での)サービスインまでには16カ月を要したが、これは日本が世界で第2位の市場規模を持つことや写真の品質に対する要求が高いこと、携帯電話の普及率が高いといった独自性にあり、正しいサービスを提供するために時間をかけてきたから。今後も新しい機能を追加していくことで、よりよいユーザー体験を提供していく」(同氏)。

写真は右から、日本ヒューレット・パッカード執行役員イメージング・プリンティングメディア統括の挽野元氏、前述のベン・ネルソン氏、そしてSnapfishの創設者でもあるヒューレット・パッカードSnapfishアジア・パシフィック&ラテン・アメリカ マネージングディレクターのバラ・パーササラシー氏(写真=左)。キーホルダーや携帯ストラップなどの見本(写真=中央)。今回の説明会は魚(Snapfish)の日本上陸ということで、天王洲のWATERLINEで開かれた。築地でやるというアイデアもあったらしい(写真=右)。

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