速報
» 2008年06月10日 07時42分 UPDATE

WWDC'08基調講演速報:携帯電話からコンテンツプレーヤーへ脱皮した「iPhone」

スティーブ・ジョブズ氏らによるWWDC基調講演は、全編iPhoneにフォーカスした内容となった。ライバルはニンテンドーDS? PSP!?

[林信行,ITmedia]

Mac関連の新発表は「Snow Leopard」と「MobileMe」だけ

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 今回のWWDCでは、2時間弱の基調講演でMacが登場したのはたった2回だけ。1つはコードネーム「Snow Leopard」と呼ばれる次期Mac OS Xについて、スティーブ・ジョブズCEOが基調講演後の技術セッションで紹介すると語ったことだ(この技術セッションは、秘密保持契約下のセッションのため、公式メディアは取材できない)。

 そしてもう1つは、アップルのインターネットサービス、「.mac」が新た「MobileMe」と改名され大幅に機能を強化した、というコンテクストの中でだ。

 「MobileMe」は、いつでもどこでも、MacからでもWindowsからでも、iPhoneからでも、さらにはWebブラウザ(他の人のパソコン)からでも、自分宛のメールや写真、連絡帳、カレンダーなどの情報を利用可能にするというサービスだ。

 「.mac」同様、年間99ドル(9800円)のサービスとなる。Mac付属のiPhoto '08によく似た写真管理用のWebアプリケーションを使って、パーティーなどの写真を簡単に親戚や友達と共有したりもできる。

og_wwdc_002.jpgog_wwdc_003.jpgog_wwdc_004.jpg アップルのサービス「.Mac」が「MobileMe」に進化。MobileMeを使うと、Mac、Windows、iPhoneそしてWeb上で、同じ電子メールを参照できるようになる。メールのほかにも写真、住所録、ファイル、写真、予定表を利用できる。話題のクラウドコンピューティングを身近にするサービスだ。従来と同じ年間99ドルで提供される。もちろん、.macのサービスやメールアドレスも、継続して使える予定だ。

ついに登場iPhone 3G

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 「Snow Leopard」と「MobileMe」の紹介以外の時間は、すべてiPhoneに費やされた。スティーブ・ジョブズCEOは、iPhoneには4つの課題があったと語り、今回それらの課題すべてをクリアしたと発表した。

 まず1つは3G対応、2つめは企業情報システムへの対応、3つめは他社製アプリケーションへの対応、そして4つめは、iPhoneをより多くの国で発売するという課題だ。

 今回、新発表されたiPhone 3Gは、その名の通り3G通信に対応し、ジョブズ氏が3G対応することの最大の意義とする通信スピードでも圧倒的パフォーマンスを示すようになった。

 ジョブズ氏はこれまでのiPhoneのGSM+EDGE通信と比べて2.8倍、他社の3G携帯と比べて36%高速なWebアクセスや、従来のiPhoneに比べて3.6倍高速なメール添付のダウンロード/表示といった特徴を紹介。このほか、GPSを内蔵したこと(これまで通り無線LANや携帯電波を使った位置検索もできる)やアドレス帳の検索、iWorks '08やMicrosoft Officeの書類を開く機能、メールで受信した写真をフォトアルバムに保存する機能など、多岐にわたる機能強化を紹介した(→詳細なスペック)。

 2つめの企業情報システムへの対応では、MicrosoftのExchange Serverをサポートしたほか、CISCOのVPNや、企業システムで必須とされるさまざまな通信規格への対応を挙げた。

 4つめの多国対応では、当初予定されていた12カ国を大きく上回り70カ国の携帯電話キャリアと契約を結んだことを明らかにした――日本のソフトバンクについても簡単に紹介された。

 アップルがこの70カ国の中で、特に重要と考えているのが日本を含む22カ国で、iPhone 3Gは、これら22カ国では7月11日から発売が開始される予定だ。価格もぐっと押さえられ、199ドルになる。米国以外の国々でも、これとほぼ同水準の価格になるということだ。

og_wwdc_006.jpgog_wwdc_007.jpgog_wwdc_008.jpg スティーブ・ジョブズCEOは、iPhoneの4つの課題は、3G対応、企業情報システムへの対応、サードパーティーアプリケーション対応そして多国対応だったと語る。同社は今回、この4つの課題をすべてクリアした(写真=左)。日本はアップルにとって重要な市場……のはずが、なぜかソフトバンクのロゴは左下隅に。とはいえ、日本もiPhone 3Gは、米国と同時7月11日から発売予定なのでご安心を(写真=中央)。当初12カ国対応を目標にしていたiPhoneだが、ウワサどおり70カ国での発売が決まった。この内、日本を含む22カ国では7月11日から発売される予定(写真=右)

og_wwdc_009.jpgog_wwdc_010.jpgog_wwdc_011.jpg 基調講演の最大の目玉は、ついに発表されたiPhone 3G。ただ3Gに対応するだけでなくGPSも内蔵。価格199ドルの8Gバイト版と、299ドルで2色のモデルが用意された16Gバイト版が用意される(写真=左)。GPS対応でトラッキング(自分の歩いた経路を後から再生すること)も可能になった(写真=中央)。これまでの399ドルから劇的に値段が下がり、199ドルとなった8Gバイトモデル(おこづかいをためれば中学生でも買える価格?)。ちなみにiPhoneには、子供を有害情報から守るParental Control機能もついている。あとは、これでこのParental Controlが、日本のWebサイトに対応すればいいのだが……(写真=右)

og_wwdc_015.jpgog_wwdc_016.jpgog_wwdc_017.jpg 日本のユーザーにとって、最も重要な新機能の1つがコレ。新たに親指文字入力のインタフェースが追加される(写真=左)。中国語用には手書き文字認識の機能も用意される。異なる言語のキーボードは、簡単に切り替えが可能だという(写真=中央)。iPhone 2.0のリリースは7月はじめ頃。7月11日、日本のソフトバンクから発売されるiPhoneは、最初からiPhone 2.0仕様になっているはずだ(写真=右)

og_wwdc_012.jpgog_wwdc_013.jpgog_wwdc_014.jpg 299ドルの16Gバイトモデルには、背面が白いモデルと黒いモデルの2種類が用意される(写真=左)。iPhone 3Gは7月11日に販売開始(写真=中央)。iPhone 3GのCM。「これまで一部の新しい物好きのユーザーだけのものだったiPhoneが、ついにみんなの手に入るようになった」とうたう(写真=右)

 ちなみにソフトバンクの孫正義社長は、今回もジョブズ氏の基調講演を前の方の列で聞き、講演を終えた後のジョブズ氏とも直接話をしていた。

iPhoneは携帯電話からコンテンツプレーヤーへ

og_wwdc_018.jpg iPhone 2.0の登場によって、他社製アプリケーションを購入するApp Storeが利用可能になる。ソフトウェアの販売価格は開発社が決め、売り上げの30%はアップルが徴収するが70%は開発社に入る。クレジットカード処理やソフトのホスティングのお金は取らない。iTunes Store同様、FairPlayのDRMを採用。また無料アプリケーションの開発社からは一切お金を徴収しない、という

 今回の基調講演で最も多くの時間が割かれたのが、他社製iPhone用アプリケーションの紹介だ。

 SEGAやeBay、Six Apart、Associate Press、MLB(米国大リーグ連盟)など10の有名企業がiPhone専用アプリケーションを開発中で、iPhone用アプリケーションを販売する「AppStore」のオープンとともにソフトを提供予定であることを明らかにした。

 SEGAのスーパーモンキーボールなど、ゲームソフトの紹介が多かったが、これらのゲームの価格はいずれも9.99ドル(約1000円)で、ニテンドーDSなどのゲームタイトルと比べても安い。それに加えて、eBayやMLBなど無料の実用アプリケーションを提供している会社も多い。

og_wwdc_019.jpg SEGAがデモしたスーパーモンキーボールのiPhone版。iPhone本体を傾斜させて操作する。予科9.99ドル

 アップルは、こうした優れたサードパーティ製アプリケーションをたくさん紹介することで、iPhoneがもはやただの携帯電話ではなく、ニンテンドーDSやPSPと渡り合える強力なコンテンツプレーヤープラットフォームともなったことをアピールしたかったのかもしれない。

 駆け足で紹介したが、基調講演で紹介があった各ソフトウェアの内容など、講演の詳細については追って報告する予定だ。

og_wwdc_020.jpgog_wwdc_021.jpgog_wwdc_022.jpg 世界最大のオークションサイト、eBayも専用アプリケーションを開発。インターネットオークションを、より快適かつ身近にする同社の専用アプリケーションはAppStoreのオープンと同時に無償で提供される(写真=左)。位置情報を使ったSNS、Looptでは、自分の現在地の近くにいる友達を表示してくれる。「たまたま近くで夕食していた。知っていれば合流したのに……」そんな状況をなくすのがこのソフトの目標だと言う。AppStoreにて無料配布予定(写真=中央)。ブログのパイオニア、米Six Apartのブログシステム、TypePadの記事投稿/管理アプリケーションも登場。こちらも無料で配られる(写真=右)

og_wwdc_023.jpgog_wwdc_024.jpgog_wwdc_025.jpg 世界最大のニュース配信会社のAssociated Pressも、同社が配信する文字や動画のニュースにまとめてアクセスできるアプリケーションを無料で用意する(写真=左)。一時、iMacにソフトウェアがバンドルされていたため、古くからのMacユーザーにはなじみ深い米Pangea(パンギア)のゲーム。したたる水滴にうまく反射板をあてがって見ずをツボにいれる、というパズルゲーム(写真=中央)。クロマニヨン人を主人公とした原始時代が舞台のカーレースゲーム。荒唐無稽な設定ながら、一時はiMacにバンドルされていたこともある。その名作タイトルがiPhoneにも対応した(写真=右)

og_wwdc_026.jpgog_wwdc_027.jpgog_wwdc_028.jpg iPhoneのタッチパネル操作を使って、さまざまな楽器の音色で演奏が可能なCowMusicの楽器アプリケーション

og_wwdc_029.jpgog_wwdc_030.jpgog_wwdc_031.jpg 米大リーグ公式サイトのMLB.comでも、iPhoneの画面上から大リーグの実況情報をみるアプリケーションを開発。小さな画面にうまく情報が集約されている(写真=左)。MODALITYの医療教育ソリューションもiPhoneに対応した。ポケットの中に収まるiPhoneで、高解像度の医療関連の画像データもうまく扱えることが特徴(写真=中央)。MODALITY同様、MMvistaも医療用データを表示するアプリケーションとなっている(写真=右)

og_wwdc_032.jpg 突然すい星のように現れたスペインの開発社は、本格3Dアニメーションをふんだんに使ったゲームを披露。9月ごろの出荷となる予定だ

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