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“AVプレーヤー”にとどまらないPS3PS3をAV機器として評価する(中編)(1/2 ページ)

» 2008年06月18日 11時21分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]

AV機器としては画期的な存在

photo プレイステーション 3(CECHH00シリーズ)

 前編で紹介したように、対応メディアの多さが魅力のプレイステーション 3(PS3)だが、「新世代」というにふさわしい、もうひとつの大きなメリットがある。それは、USBやLANを活用した、メディアセンターとしての充実した機能だ。

 PS3では、USBメモリやHDD、各種メモリカードを外部メディアとして活用することが可能となっており、納められたさまざまな映像/音楽コンテンツを再生できる。ファイル形式も映像ではMPEG-1、MPEG-2、H.264、MPEG-4 AVC、MPEG-4 SP、Motion JPEG、AVCHD、DivX、WMV、音楽ではATRAC、AAC、MP3、WAVE、WMAと幅広くサポートしており、便利に使うことができる。

カテゴリ ファイル形式
ビデオ MPEG-1、MPEG-2(PS、TS)、H.264、MPEG-4 AVC、MPEG-4 SP、Motion JPEG(Linear PCM)、Motion JPEG(μ-Law)、AVCHD(.m2ts)、DivX、WMV
ミュージック ATRAC(.OMA .MAS .AA3)、AAC(.3GP .MP4)、MP3(.MP3)、WAVE(.WAV)、WMA(.WMA)
フォト JPEG、GIF、PNG、TIFF、BMP

 意外に重宝するのが、DLNA(DLNAクライアント)対応であること。LAN経由でメディアファイルが再生できる手軽さは、スタンドアロン機器が主流であるAVの世界では新鮮。利用に際してある程度の知識(といってもさほど扱いが難しいということではない)は必要となるが、このような最新の使いこなしを手軽に享受できるという点でも、PS3の魅力は絶大だ。

photo PS3の背面端子。別売ケーブルを用意することで映像(アナログ同軸/S端子/コンポーネント/D端子/HDMI)、音声(アナログ/光デジタル/HDMI)ともに複数の出力端子に対応しているが、AV機器として活用するのはHDMI、光デジタル、LAN端子の3つ

 個人的には、PCのHDDからPS3のHDDに映像/音楽ファイルをコピーできる機能も利用している。DLNAクライアント機能があるため多用することはないが、PCのHDDがいっぱいになったとき「消してしまうには惜しい」ファイルの逃げ場として手軽に使えるのはうれしい。制限はあるがUSB接続のHDDを利用することも可能だ。

 こういったPCに近い使い方、メディアセンターとして柔軟に活用ができる便利さは、これまでのAV機器にはなかった、大きなメリットといえよう。

 AVプレーヤーとしては文句のつけようのない充実した機能を持つPS3だが、肝心の映像/音質クオリティもかなりのレベルに達している。大ざっぱに印象をいえば、レコーダー以上高級プレーヤー未満といった感じだ。

 特に音質に関しては、一般的なHDDレコーダーとは一線を画すレベルを持ち合わせており、HDオーディオの良さを存分に感じ取ることができる。またPS3には(HDオーディオが出力できるHDMIのほかに)光デジタル出力も用意されていて、出力先をメニューから切り替える必要があるのは面倒だが、こちらも高いクオリティを持っている。

photophoto 設定変更で活用するのは主に[BD/DVD設定][ディスプレイ設定][音声設定]の3つ(左)、[BD 1080P 24Hz出力(HDMI)]はテレビ側がオートで変更できない場合のみ「入」にする。通常は自動でよい(右)
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