ITmedia NEWS >

撮影シーンを選ばない万能ズームデジカメ――ニコン「COOLPIX P80」レビュー(3/5 ページ)

» 2008年07月02日 10時00分 公開
[荻窪圭,ITmedia]
,撮影時の画面。ダイヤルはプログラムシフト。十字キーは上下左右それぞれに機能が割り当てられており、それ以外はMENUで設定を行う(左)。十字キーのショートカットではこのように画面に簡単なフキダシが出る。無限遠モードがあるのは便利(右)

 モニターの右に円形の十字キーと電子ダイヤル、さらにMENUや再生ボタンがある。

 電子ダイヤルはPモードではプログラムシフトに、それ以外では絞り値やシャッタースピードなどの調節に用いる。

露出補正時は画面左にバーが表示され、十字キーの上下でセットする

 露出補正は右十字キーで呼び出して十字キーの上下。電子ダイヤルは使わない。ちょっと電子ダイヤルの活躍の場が少なくてもったいないかなとは思う。

 MENUボタンを押すと細かい撮影設定を呼び出せ、ホワイトバランス、ISO感度、測光パターン、画質、仕上がり設定、ノイズリダクションのオンオフ、ゆがみ補正のオンオフなど、マニュアル系デジカメにふさわしく細かな設定が可能だ。

AFエリア選択画面。顔認識のオンオフもここで行う。マニュアルにするとAFエリアを自分で選べる

 AFエリア選択では顔認識のオンオフや任意の位置にAFスポットを置けるマニュアル設定もできる。

 顔認識は「顔認識2.0」と銘打たれており、以前のCOOLPIXに搭載されていた顔認識機能に比べると、認識のスピードや精度が格段に上がり、最大12人まで見つけられるようになった。

再生時に可能なD-ライティングの画面。処理をほどこした画像は別ファイルとして保存されるので上書きの心配はない

 今年のトレンドともいえる「ダイナミックレンジが広くなったように見せる技術」は、ニコンの「D-ライティング」がその走りといっていい。ただ、ソニーのD-Rやパナソニックの暗部補正など撮影時に補正をかけるのが主流で、COOLPIXのように再生時に補正した画像を生成するのは一手間かかる。デジタル一眼レフでは「アクティブDライティング」といって撮影時に暗部補正する機能も出てきているだけに、今後はコンパクトデジカメにも搭載して欲しいと思う。ちょっと残念だったのはそこかな。

シーンメニューには15個のシーンが用意されている(写真=左)。再生時にDISPボタンを押すと撮影パラメータの詳細やヒストグラムが表示される(写真=右)
底面にSDメモリーカードとバッテリー。バッテリーの持ちはCIPA規格で約250枚とまあまあ

幅広く楽しめる汎用性の高い高倍率ズーム

 P80は、ニコンらしいオーソドックスな高倍率ズームだ。手への収まり具合やグリップしたときの感触はなかなかよく、気持ちよく使うことができた。

 広角からの18倍ズームは数社から出ているが、スポーツ連写モードや、幅広く選べるISO感度、ゆがみ補正、ノイズリダクションをオフにできるなど細かい設定がなかなか効いていることや、モニターが明るくて(時には実際の写真より明るめに見えてしまうこともあったが)見やすいなど、コンパクトデジカメの良さを持つ汎用的な望遠モデルに仕上がっている。

 これといった強い個性があるわけじゃないが、撮る人やシチュエーションを選ばない、昼でも夜でも建物でも運動会でも旅行でも幅広く安心して使えるカメラといってよさそうだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.