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» 2008年07月25日 23時52分 UPDATE

本田雅一のTV Style:復調の兆しが見え始めた? デジタル放送対応PC(2)

ソニーの「VAIO TP1」と富士通「FMV-TEO」は、どちらもデジタルテレビに接続する“リビングPC”だ。しかし、実際に使ってみると、製品コンセプトの差が大きく感じられた。

[本田雅一,ITmedia]

 先週に続き、地上デジタル放送に対応した2つのPC――富士通の新型「FMV-TEO」とソニーの新型「VAIO TP1」を取り上げる。いずれも目指すところは、デジタルテレビに接続する、コンパクトで静かな、そしてBlu-rayにも対応した“リビングPC”だ。

photophoto ソニー「VGX-TP1DQ/B」(左)と富士通「FMV-TEO/A90D」(右)

 しかもコンパクトかつ静粛な設計を実現するため、ノートPC用のプラットフォームをデスクトップPCで活用している。当然、そのテイストは似ていると思いきや、実際に使ってみると、製品コンセプトの差が大きく感じられた。

 両製品とも既に紹介記事が掲載されているので、ここでは割愛するが、両製品ともリビングPCというカテゴリの中で、どのような製品を目指したのか、その違いが明快に現れている。

 ほぼ同価格帯の両製品だが、機能面でいえばTEOがTP1シリーズを上回る。TEOはデジタル3波(地上、BS、110度CS)チューナーをダブル搭載しているが、TP1シリーズのチューナーはダブルながらも地上デジタル波のみの対応。スペックだけを比較すると、TEOの方が良いという人も少なくないだろう。TEOが一般的なPCI Expressカード型チューナーを採用しているのに対し、TP1シリーズはノートPC向けに開発された超小型ダブルチューナーという事情があるのだろう。とはいえ、BSが映らないというのはちょっと残念。今後の機種に期待したい。

photophoto ソニーが独自開発した地上デジタルテレビチューナーカード。PCI Express Miniカードの裏表に地上デジタルチューナーを備えた

 ところが、実際に使い始めてみると、TP1シリーズの方が圧倒的に使いやすい。TEOはテレビ機能をリモコンで使うことを前提にユーザーインタフェースを構築しているが、TP1シリーズ(というよりも、新しいVAIOのテレビ機能)は、マウスやキーボードを操作するとPC的な詳細表示によるユーザーインタフェース、リモコンで操作しようとするとリモコン用のユーザーインタフェースと、ユーザーとの接し方で操作と画面表示の両方が切り替わる。

 テレビ視聴、番組表、録画予約操作、録画済み番組の一覧など、PC的操作とAV機器的操作の両方を実装しているのだ。これはお見事。TEOと比べて……というよりも、今までのVAIOに感じていた違和感が、やっと取れてきたという印象だ。デジタル放送となって初めての自社開発テレビソフトだが、やっと完成形に近付いてきた。

 ただしBD、DVDなどへのダビングは、PC操作のモードでしか実行できない。このモードでは表示される文字やボタンのサイズも小さくなってしまうので、本当に“リビングだけ”で使う場合にはちょっと使いにくい。リビングPCというより、自分の部屋で“テレビをもっと効率よく楽しむ”ためのツールといった方がいいかもしれない。TEOがPCにデジタルビデオレコーダー的機能を素直に実装しようとしているのとは対極的だ。

 とはいえ、どちらも“ただのレコーダー”として使うならば、やっぱり本職のBDレコーダー製品の方が楽に使え、機能的な完成度も高い。加えてTEOの方はハイビジョン放送のI/P変換に問題があるのか、少し解像度が低く見えてしまう(縦方向のラスター数が減って見える)。ソフトウェアというよりも、採用しているグラフィックスチップの性能差だろうか。

 では、PCでデジタルハイビジョン放送を楽しむ意味はどこにあるのだろう? この点に関して明確な答えを示したのが、VAIOの「GigaPocket Digital」だ。そこには単体BDレコーダーにはない、PCならではの心憎い機能があった。

 以下、次週。

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VAIO | 地上デジタル放送 | FMV | Blu-ray


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