連載
» 2008年08月01日 18時19分 UPDATE

本田雅一のTV Style:復調の兆しが見え始めた? デジタル放送対応PC(3)

PCでデジタル放送を扱うメリットは、なんといっても“インテリジェンス”にある。ソニーのリビングPC「VAIO TP1」に搭載された「Giga Pocket Digital」を例に解説しよう。

[本田雅一,ITmedia]
photo 「VGX-TP1DQ/B」(手前)と「VGX-TP1D」(奥)。

 先週に続き、ソニーのリビングPC「VAIO TP1」(VGX-TP1DQ/B)を検証していこう。

 ソニーが久々に送り出した「Giga Pocket Digital」の良さは、なんといってもこの夏の「VAIO」がキーワードにしている“インテリジェンス”にある。単体のデジタルハイビジョンレコーダーにも、ここ数年はダイジェスト再生や自動チャプターといったインテリジェントな機能が組み込まれているが、PCには強力なプロセッサと大量のメモリ、それにソフトウェア開発のしやすさといった利点がある。

 この利点を生かしていたのが、「VAIO Video Explorer」だった。以前からリビングPCをチェックしている方ならご存知だろうが、このツールはアナログ放送録画時に使えるものとして、従来のVAIOシリーズに組み込まれていた。この機能がGiga Pocket Digitalの中に取り入れられ、デジタル放送でも利用可能になった。

 VAIO Video Explorerは、録画した番組の詳細な内容をタイムテーブルごとにタグ情報として管理しておき、録画番組を見る際に“好きな部分だけを抜き出して”再生できる。とくに情報番組やワイドショー、歌番組などでは、素早く自分のお目当ての映像にありつける。

photo 住所や連絡先まで含む詳細な店舗情報が表示されるカタログビュー

 単に“どこからどこまで、どんな内容が放送されたか”が見えるだけではなく、そのコーナーで紹介された店舗や地図を含めた詳細情報、商品の情報などが表示できたり、放送された歌のアーティスト名や曲名といった情報も一覧できる。さらにはCMのスポンサー名や商品名、各商品のWebページへのアクセスリンク、CMソングの詳細情報なども知ることができるなど、CMを「番組を中断させる邪魔な映像」から、「知りたい情報を提供するデータベース」へと変えてしまう。この機能は、主にキーボードとマウスを使った、PCらしいユーザーインタフェースの中で役立つが、リモコン操作の中でもカタログビューを呼び出し、赤外線リモコンだけで活用することも可能だ。

 こうした詳細な番組カタログは、映像を分析するだけでは生成できない。ではどうやっているか? というと、番組内容のタグを作成する情報提供会社がタグを付け、それをインターネットで配信している。VAIOは配信される大量のタグ情報を整理し、分かりやすい形で見せてくれる。

 長編映画を録画したり、連続テレビドラマを録画してBDライブラリーにしたいといった場合には、単体レコーダーの方が確実性が高く(例えばPCの自動再起動で録画を逃すといったリスクも避けることができる)、リビングルームにある大画面テレビとの親和性も高い。また、現時点では画質の面でもPCは民生機に及ばない。

 加えて、現在のGigaPocket Digitalはチャプターを集めたプレイリストを作成することは可能だが、プレイリストをBlu-ray DiscやDVDにムーブできない(カット編集なども行えない)という、ほかのデジタル放送対応PCと同じ制限を持ったままだ。光ディスクの活用という面では、単体レコーダーには及ばない。

 しかし、多くの情報が詰まった情報系のテレビ番組を、限られた時間で必要な個所だけ手早く見たい、あるいはテレビで提供されている情報を活用したいといった使い方なら、PCならではの“インテリジェンス”が生きてくる。

photo 「ダイジェスト再生」は、音声レベルの高い部分のみを抽出して連続再生。再生時間は5/10/20/30分に設定できる

 テレビで放送されている番組は多様なうえ、それを見る側もさまざまな価値を求めているのだから、レコーダーとは別の魅力(PCならではの機能)を提案しようという姿勢は、まだ未完成の面はあるものの高く評価したい。

 なお、ソニーでは現在のGiga Pocket Digitalに不足している機能を補い、今後のモデルに向けた大幅改良を行うべく、開発を続けているという。これらの新機能はアップデートという形で、現行Giga Pocket Digitalユーザーにも提供される予定とのこと。

 アップデートの内容はまだ公表されていないが、現在は不可能なカタログビュー向けタグ情報のダビング時の活用(チャプターポイントとして利用するなど)や、プレイリストダビングなど、強く望まれている機能が含まれているようだ。

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

この記事が気に入ったら
ITmedia LifeStyle に「いいね!」しよう