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第3回:音を手軽にアップグレード、パナソニック「SC-HTR210-K」サラウンドで北京五輪を堪能する(2/2 ページ)

» 2008年08月05日 19時45分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]
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ユーザビリティチェック

 今回のテストに使用したパナソニック液晶ビエラ「TH-37LZ85」とは、同メーカーの組み合わせだけに相性は抜群。ビエラリンクによって電源の連動オン/オフ、ボリュームコントロール、サウンドモード切替などの操作がテレビ側のリモコンから行えるようになっている。また番組に合わせてサラウンドモードを自動変更する「ぴったりサウンド」も利用できるため、この機能に対応した最新型のビエラを所有している、もしくは購入予定の人で、積極的にサラウンドを楽しみたいという人には、魅力的な選択肢となるだろう。

 外部入力もHDMI1系統(1080p対応)、光デジタル2系統、アナログ2系統と幅広く用意されているため、端子不足に悩むことも少ない。テレビまわりのシステムを1つにまとめ上げることができる。

photo アンプユニットと入力端子はのラック中央スピーカー裏側に設置。入力端子はHDMI×1、光デジタル×1、アナログ×2。テレビとはもちろんHDMI端子で接続する(左)。リモコンはサウンド系の操作に機能を絞ったシンプルなタイプで使い勝手はよい。ただ基本操作はテレビ側のリモコンで行えるため、こちらの出番はあまりない(右)

 操作系に関しては、さすがパナソニックというべきか、使いやすさは上々。主要な操作がテレビのリモコンから行えるうえ、付属のリモコンもボタンが上手に整理されており、説明書をいちいち読みかえさなくても、いや説明書をまったく読まなくてもスムーズに操作できた。こういった使い勝手の良さは、いちユーザーとしては大歓迎だ。

サウンドチェック

photo 今回テストに使用したパナソニック液晶ビエラ「TH-37LZ85」を載せるとHTR210-Kの方がひとまわり大きい。しかし37型でもバランス的には決して悪くなかった

 「高音質ラックシアター」と銘打った製品だけに、それなりに厳しい目で音質チェックに望んだが、そのクオリティーは侮りがたいものだった。なかでも低音の充実感と定位、フロントスピーカーとの一体感は特筆もの。一般的にサブウーファーは、低域の補強する役割に利用されるものであって、その存在感は希薄で、あくまでも黒子に徹している存在。しかし良質なサブウーファーになると、低音自身が確固たる存在感を示すようになり、スピーカーから出されている擬似的な音であるにもかかわらず、まるで現実の振動が生み出した音であるかのようなリアリティを感じさせてくれるようになる。

 それはメインスピーカーにも影響を及ぼし、まるで1グレードも2グレードの上のスピーカーに置きかえたかのような、質感を向上をもたらしてくれる。HTR210-Kのサブウーファーは、まさにそのような存在。力強い、密度の高い低音がサウンドバランスの底辺をしっかり支え、メインスピーカーのサウンドがイキイキと聞こえる。またフロントロード構造の恩恵か、定位感もよい。フロントセンターを中心に低音が広がっていくため、サウンドフィールドに一体感があって心地よい。

photo フロント側のディスプレイには入力ソースのほか、サラウンドモードが表示される。その左側にはメイン電源、右側には音量/入力/サラウンドモード切替スイッチを用意

 良質な低音に支えられ、実力以上の能力を発揮している(と思われる)メインスピーカーだが、リニアPCMとドルビーデジタルの質の違いをしっかり描き分けるなど、解像度やクオリティーに関しては決して悪くない。声の通りもよく、スポーツ番組から映画まで、あらゆるジャンルの番組をそつなくこなしてくれる。番組にあわせてサラウンド変更する必要を感じない、基本のしっかりしたサウンドと感じた。

 1つ難をいえば、サラウンド感に関しては少々物足りない印象を受ける。テレビの両側の壁までは充実した音場が広がっているのだが、リスナーの横や後ろまではなかなか回ってこない。ドルビーバーチャルスピーカーなどのモードを使えば包まれ感は強まるが、擬似的な印象が強まるばかりで心地よくないうえ、せっかくのサウンドクオリティーが色あせてしまう。サラウンドに関してはあまり利用せず、そのままの音を楽しむのがお勧めだ。

お勧めしたいユーザー

 設置には時間も手間もかけたくない、けれどもフルHD&サラウンド放送やBDソフトをそれなりのクオリティーで楽しみたい人にとって、このHTR210-Kは魅力的な候補となるだろう。

 なかでもパナソニック製のテレビを所有、もしくは購入予定の人には、これほど相性の良い組み合わせはない。今回試聴したHTR210-Kのほかにも、46〜50V型にぴったりの「HTR310-K」や、さらなる高音質を追い求めた「HTR500-K」も用意されている。自宅のテレビサイズはもちろん、お気に入りのサウンドやデザインを吟味して選択してほしい。

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