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» 2008年08月08日 16時44分 UPDATE

本田雅一のTV Style(特別編):“音楽好き”のためのオーディオイベント「my-musicstyle」へ行こう

連載の趣旨とは異なるが、今回はカジュアルなオーディオイベントを紹介したい。「my-musicstyle」は、オーディオマニアではなく“音楽ファン”のための体験イベント。そのコンセプトに共感できる方も多いと思う。

[本田雅一,ITmedia]

 本連載の趣旨とは異なるが、今回は一度だけカジュアルなオーディオイベントを紹介したい。地方の読者には大変申し訳ないが、開催地は東京・恵比寿。8月30日、31日の2日間、今回で5回目を迎える“音楽ファンのための”オーディオイベント「my-musicstyle」が開催される。直接行ける読者は少ないかもしれないが、そのコンセプトには共感できるという方も多いはずだ。

photo 「my-musicstyle」のオフィシャルサイト

 my-musicstyleのコンセプトは、彼らのパンフレットに記載されたコピーにすべてが現れている。「音楽を聴くことは大好き。できオーディオっていうと、正直、敷居が高いよね。マニアのものじゃないの? っていうか、オーディオってナニ?」というキャッチは、オーディオを知る世代と、知らない世代のギャップを上手に表現している。

 オーディオを知る世代は主に40歳代以上の人たち。ギリギリ30代半ばまでが、子どもの頃にオーディオシステムの体験をしている。それ以下の世代になるとオーディオブームが去った後に育っているから、頭の中で“単に音がいい、やたら高い機材で音楽を聴くってことでしょ?”ぐらいの認識しかない。

 筆者は古いオーディオ世代に属する人間だが、確かに今のオーディオ製品はハードルが高いものが多いと思う。理由は明快で“良い音で音楽を聴くと、いつもの音楽がより気持ちよく、より深く楽しめる”という、オーディオ世代には当たり前の原体験ができるチャンスが少ないからだ。

 しかも、今も機材に投資をしているオーディオ世代の人間(私自身も反省すべきだが)は、とかくハイエンド志向が強く、程良い予算で楽しめる、程良いサイズのオーディオシステム”を見下しがちだ。世代が変われば音楽を楽しむスタイルも変化するということに対して、あまりにも無理解な面がある。

 と、こんな話を書いていると本筋をどんどん外れていくのだが、そんな状況を憂慮して、オーディオ業界で働く若手有志が手弁当で集まり、カジュアルなオーディオ体験を提供する場を提供しようとボランティアで運営しているのがmy-musicstyleというわけだ。

 “手弁当”というのは、すなわち“自分の懐、裁量、割ける時間の範囲内で持ち寄った”ということで、メーカー主導ではない音楽好きが開催する、音楽好きのためのイベントなのである。筆者は恥ずかしながら、このイベントの存在をmy-musicstyle実行委員会のメンバーに教えてもらうまで知らなかった。残念ながら8月末は出張中だが、機会があれば私自身も“手弁当”で駆けつけたい。

photo 昨年9月に開催された第2回「my-musicstyle」の様子。2人の高校生が自分で持ち込んだ音楽に聴き入っている

 イベントでは、オーディオの面白さとはどんなものなのか? がさり気なく感じられるようなシカケもいろいろとあるようだ。実際に訪れてみれば、マニアックすぎて無粋なデザインの機器ばかりでなく、スタイリッシュで、それでいて楽しく音楽を聴けるシステムが多いこと、それに音にもさまざまな個性があることが理解できるだろう。

 私はオーディオの楽しさは、“キモチイイ”音場再現にあると考えている。

 よく、ちょっといいオーディオ機器を買うと「今まで聞こえなかった音が入っているのが分かった」「ヴォーカルの定位がすごく良くなった」「低音のスピード感が出てきた」などと、解析的に音を評価する声を聞く。もちろん、そうした部分も良いオーディオで改善する部分なのだけど、音楽を楽しむという意味では、録音エンジニアが音楽コンテンツの中に封じ込めようとした心地よい音に包まれた空間が再現できることが、良い(高級・高価という意味ではない)オーディオを楽しみたいという欲求につながる。

 もちろん、音楽の楽しみ方、オーディオに求めるものは、人それぞれ。音楽のジャンルだってさまざまだ。ある老舗のオーディオメーカーが、新入社員研修の一環として、同社でもっとも良い音の(最終の音決めをしている)部屋で、自由に音楽を聞かせてみたところ、ほぼ100%がヒップホップを中心とするダンス系音楽だったそうだ。でも、結局のところ、オーディオは自分のためのものなのだから、ジャンルなんかなんでもいい(それに、オーディオ的な体験を積み重ねていくと、音楽のジャンルも少しずつ変化していくものだ)。

 時間のある方は、手持ちのCDやiPodを持ち込んで、普段から自分が聴いている音楽の楽しさを再確認してはいかがだろう。

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