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第6回:スペック充実、ニアフィールドに強いオンキヨー“WAVIO”「GXW-2.1HD」サラウンドで北京五輪を堪能する(2/2 ページ)

» 2008年08月11日 03時12分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]
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ユーザビリティ

 自動音場調整機能「AUDYSSEY 2EQ」の設定は簡単便利。なはずだったが、2.1チャンネルという特殊な環境のためか、途中で何度かリモコンの決定ボタンを押さなければならず、少々面倒だった。しかも当然付けていないセンタースピーカーやリアスピーカーもチェックしているため、どこでユーザーの出番が来るのか分かりにくく、設定の間ずっと部屋の隅でおとなしく待っていなければならなかった。これではせっかくの自動音場調整機能も手軽さが色あせてしまう。このあたりは改良を望みたいところだ。

photophoto オデッセイEQはスピーカーまでの距離など詳細な調整が可能となっている。またHDMI1.3aのためx.v.COLORももちろん対応。どちらもうれしい機能だ

 そのほかリモコンの操作性、HDMIリンクなどに関してはかなりの良さが際だっていた。とくにHDMIリンクに関しては、電源の連動オンオフ、ボリューム調整はもちろん、入力ソースの切替(テレビからPS3など)にも連動してくれる。オンキヨーは「RI HD」という名で各社独自のHDMIリンクをシームレスにコントロールできる機能を提供しているが、そのありがたみを実感することができた。

サウンドチェック

 最初はほかのシステムと同じように、6畳間を縦長に使い、壁側に置いたテレビラックのうえ、テレビの両脇にメインスピーカーを設置、その反対の壁近くのソファーに座って試聴を開始したが、これは完全に失敗。このような使い方では、まったくと言っていいほどGXW-2.1HDの実力を発揮させられなかった。

 もちろん音は聞こえる。聞こえるが、解像度やメリハリなど、クオリティー的に芳しくない。テレビ内蔵のスピーカーと大差なく聞こえてしまうのだ。多分使い方が間違っているのだろうと、まずは試聴場所を変更してみることにした。

 徐々にソファーを近づけてみると、部屋の真ん中近く、距離にして1.5メートルくらいまできたとき、急に音数が増え、きめ細やかなサウンドにガラッと様変わりした。このあたりが、フィールドの限界値なのだろう。PC用がベースとなっているだけに、広さに制限をもつのは致し方のないことかもしれない。

 近い距離で試聴を再開してみると、印象はまったくといっていいほど変わる。端正で柔らかい、オンキヨーらしい丁寧なサウンドが堪能できるようになったのだ。

 サラウンド感は、ステレオイメージの後ろに存在をあまり主張せず緩やかに広がっているイメージ。強烈なサラウンド感がほしい人には物足りないかもしれないが、こういったセッティングも1つの趣向としてはアリだと思う。

お勧めしたいユーザー

 設置予定の部屋が4畳以下の人、またはデスクトップでバーチャルサラウンドを楽しみたい人、さらに言えば迫力よりも心地よい音を取りたいという人などであれば、なかなか魅力的に映る製品だと思う。

 ちなみにGXW-2.1HDは、パワーアンプが5.1チャンネル分内蔵されているうえ、オプションのスピーカーも用意されている。こちらを使って、濃厚なミニマルフィールド・リアル5.1チャンネルにトライしてみるのも面白いかもしれない。どちらにしても、パーソナルなサラウンド空間を求めている人には、検討の余地がある製品だ。

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