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マニュアル撮影が楽しい広角ハイエンドコンパクト――LUMIX「DMC-LX3」レビュー(2/6 ページ)

» 2008年08月13日 08時30分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

 さらに注目すべきはレンズのスペック。LX2が4倍ズームだったのに対し、LX3は2.5倍ズーム。倍率は落ちたが、その代わり、広角側が24ミリ相当とぐっと広くなり、明るさもF2.0〜2.8とワンランク上がった。24ミリ相当でF2.0、60ミリ相当でF2.8というのはすごい。これだけ広角側に強くてF2.0からのレンズを搭載したコンパクトデジカメなんて、あんまりない。ちなみにLX2はF2.8。F2.8とF2.0では1段違う。この1段は、できるだけISO感度を上げずに撮りたいコンパクトデジカメにおいて非常にデカイ違いだ(注:初出時、内容に誤りがありましたので該当カ所を訂正させていただきました)。

 24ミリ相当からの超広角でF2.0と超明るくて、4:3でも16:9でも同じような画角で楽しめる、という「ハイエンドにふさわしいスペック」なのである。もちろん、光学式手ブレ補正も搭載だ。

 最短撮影距離は1センチ。テレ端では30センチ。ISO感度はISO80からISO3200。CCDの素性がよい分高感度時の画質も確かに上がっているが、断トツというほどではなく、撮影の現場ではレンズが明るい分、感度を抑えて撮れるメリットの方がでかい。

電源オフ時。レンズにはキャップをはめてある。キャップがはまっていると電源を入れても画面にアラートが出るだけなのが残念。GX200のユニークな自動開閉式キャップを見てしまうと、LX3にもがんばってほしいと思ってしまう

 残念だったのはレンズキャップが必要なこと。リコー「GX100/200」のユニークな自動開閉レンズキャップ(別売オプションの「LC-1」)がちょっとうらやましい瞬間だ。

LXならではの豊富な撮影機能、フィルムモードが面白い。

背面。ディスプレイは3インチと大きくて3:2のややワイド(35ミリフィルムと同じ縦横比)。この写真は16:9モード時なので上下が少し空いている。右にクイックメニューや露出を変更するジョイスティック、AF/AEロック、ショートカット兼用の十字キーなどが集中している
ジョイスティックを押し込むと、このメニューバーのようなクイックメニューが表示される。これはフォーカスモードで、顔検出、自動追尾など多数用意されている

 操作はLX2ゆずり。背面にはジョイスティックがあり、これでさっと調整をするわけだ。このスティックを押すと出てくるメニューバーにはフィルムモード、測光モード、AFモード、ホワイトバランス、ISO感度、暗部補正、画素数、LCDモードと多彩。

 さらに独立したボタンとして、上面にFOCUS、背面にAF/AEロックや連写が用意されているほか、十字キーにも機能が割り当てられており、メニューを介さなくてもたいていの作業はできてしまう。

アスペクト比を3:2にするとフルスクリーンになる。画面にはグリッドを表示できるほか、現在の撮影モードを細かく表示することも可能

 ディスプレイは3:2の3型で46万画素。大きくて見やすい。上下の視野角はもうちょっと欲しいが、それ以外はなかなかだ。

 撮影モードはLUMIXならではの「おまかせiAモード」や「顔認識」、「インテリジェントISO感度」など「おまかせ系機能」や豊富なシーンモードと多彩だけれども、LX3らしいのはやはり絵作りを楽しむ機能だろう。

オートフォーカスはこの6種類が用意されている(左)。フォーカスエリアをジョイスティックで自由に移動できるのも便利なところ(右)
自動追尾AF時はフォーカスエリアのデザインが変わる。ここでAF/AEロックボタンを押すと、そこにある被写体を認識して、追尾対象にしてくれる(被写体が小さかったり暗かったりするとうまく認識してくれないことも)

 AFは自動追尾AFを含めて6種類。通常のAFモードでも上面のFOCUSボタンを押すと、AFポイントを画面上で自由に移動できる。これは便利。

 自動追尾AF時は、AF/AEロックボタンを押すことで追尾する対象を覚えさせる。あとは自動的に追いかけてくれる。「クイックAF」モードにするとAFポイントに被写体が入った時点で「プリAF」が働き、本AFにかかる時間を短縮してくれる。

ホワイトバランスはこのように二軸で微調整が可能だ

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