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着実に進化した“R”――リコー「R8」レビュー(3/4 ページ)

» 2008年08月19日 00時00分 公開
[小山安博,ITmedia]

着実に進歩を遂げるRシリーズ

 充実しているのが撮影後の画像編集機能。カメラ単体で撮影した画像の補正作業が行える。

 「レベル補正」は、画像の明度とコントラストを補正する機能。ヒストグラムを元にシャドウ、中間調、ハイライトの3点から画像を調整することができる。使い方は一般的な画像編集ソフトと同じで、中間調のスライダをシャドウ側に移動させると画像が明るくなり、逆に移動させると暗くなる。

photophoto レベル補正機能は再生画面から。「AUTO」を使うとカメラが自動的に補正を行ってくれる。結果を確認してOKを押すと、別ファイルとして補正した画像が保存される

 MENUボタンを押すたびにシャドウ、中間調、ハイライトをそれぞれ動かせるので、使い方は簡単。自動補正機能も搭載されているので、画像の明度やコントラストに不満がある場合は活用してみるといいだろう。いちいちPCに画像を保存して、画像編集ソフトを立ち上げて……という手間がない分、手軽に利用できるのがポイントだ。

photophoto 手動でやる場合は、シャドウや中間調、ハイライトのスライダを動かして調整する(写真=左)、ホワイトバランスの調整機能はがらりと色調が変えられるのでお遊びとしても面白い(写真=右)

 ホワイトバランスを補正する機能も搭載。グリーン、マゼンタ、ブルー、アンバーの各方向にカーソルを移動させて色調を変化させることができる。

 いずれもRAW画像を補正するわけではないので、補正には限界もあるし、画質の劣化もある。しかし、画像のトリミング機能と合わせて、あらかじめ処理しておけば、PCに取り込んですぐにブログにアップする、といった使い方もできる。

 同様の使い方であれば、「デュアルサイズ記録撮影」も便利かもしれない。これは、フルサイズの画像と同時に縮小画像を記録するというもの。320×240ピクセルというサイズも同時記録できるので、ブログ用に使えば携帯からでも見やすい。いちいちPCでのリサイズ作業が不要になるというのがメリットだろう。

photophoto 撮影設定からデュアルサイズ記録をONにすると1回の撮影で2枚の画像が自動的に保存される(写真=左)。保存する画像サイズは別の設定画面から選ぶ。設定項目が分断されているのは気になった(写真=右)

 ちなみに「GX200」では撮影時に自動でレベル補正を行ったり、撮影前にホワイトバランスの補正を行うこともできるが、R8ではいずれも撮影後にしか適用できない。

photophoto モードダイヤルにあるMY設定は、さまざまな撮影設定を記憶してダイヤル操作だけで切り替えられる機能。うまく使えば撮影が快適になる(写真=左)。ISO感度には通常のISOオートだけでなくISO AUTO-HIが用意されている。ISOオートよりも積極的に高感度を使う設定だが、手ブレ/被写体ブレを気にする場合はISO1600を設定しておけばいいだろう。ただ、画質はかなり劣化する

 R8は、デザイン面で大きな変更が加えられているが、単なるデザインチェンジだけでなく、使いやすさに配慮した細かい変更が加えられ、使いやすさが向上している。もともとCaplioは広角レンズ&高倍率ズームのみならず、使い勝手の良さがウリのシリーズだが、高級感のあるデザインと操作性の良さが進化したことで、さらに道具としての価値を高めたのがR8だ。

photo 撮影可能枚数は約270枚(CIPA規格)。このクラスとしては平均的だろう

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