連載
» 2008年10月01日 21時30分 UPDATE

山本浩司の「アレを観るならぜひコレで!」Vol.24:進化したBDレコーダー、パナソニック「DMR-BW930」で「バンテージ・ポイント」のスリルを楽しむ (1/2)

パナソニックのBDレコーダー「DMR-BW930」を自分の部屋でじっくりチェックする機会を得たのだが、従来機「DMR-BW900」と比べて、性能の向上ぶりに少なからず驚かされることになった。

[山本浩司,ITmedia]

 昨年暮れにパナソニックのBlu-ray Disc レコーダー「DMR-BW900」を入手し、この10カ月間、WOWOWやBS hiの映画プログラムを中心に、せっせとハイビジョン・エアチェックにいそしんできた。

 そしてつい先日、DMR-BW900の後継機種となる新製品「DMR-BW930」を自分の部屋でじっくりチェックする機会を得たのだが、その性能の向上ぶりに少なからず驚かされる結果となった。今回はそのDMR-BW930のインプレッション・リポートをお届けしてみたい。

photo パナソニックの「DMR-BW930」

 DMR-BW900を旗艦モデルとする昨年のパナソニック製BDレコーダーは、自社製の高性能信号処理LSI「UniPhier」(ユニフィエ)を投入、録画系・再生系ともに独自の高画質回路を磨き上げ、他社製品に大きく水をあける高性能を実現していた。大人気となったDMR-BW900は、発売直後からしばらくの間品薄状態が続いたのをご記憶の方も多いだろう。

 で、今シーズンのDMR-BW930、HDDの容量は1Tバイトと同じだが、先述した通り、DMR-BW900の正しき進化形ともいえる魅力機に仕上がっているのである。ではどこが進化したのか、チェックしてみよう。

 まず録画系画質から。本機はDMR-BW900同様、デジタル放送(MPEG-2)のトランスポートストリーム(TS)信号をそのまま記録するDRモードのほかに、MPEG4 AVC/H.264ハイプロファイル・エンコーダーを使って再圧縮し、ハイビジョンの解像度を保ったままHDD やBDへ長時間記録できるAVC REC機能を持っている(DVD-R、RAMにも記録可能)。今回は、DMR-BW900のHEモードよりも低ビットレート(約4.3Mbps)のHLモードを新設、BD2層で24時間録画を可能にした(DVD1層に2時間10分、1TバイトのHDDに508 時間録画可能)。

 この録画時間の超・長時間化も確かに魅力だが、DMR-BW930には1フレームごとに画像分析してパラメーターを最適化できる仕組みが新たに設けられたとのことで、実際に使ってみると、よりビットレートの高い録画モードの画質向上が強く印象に残った。約5.7MbpsのHEモードでDMR-BW900と画質比較をしてみると、細かな被写体にまとわりつく目障りなモスキートノイズが明らかに減り、精細感が向上、よりすっきりとした映像が楽しめることが分かった。HEモード、そうとう使える画質なのは間違いない。

 ぼくなら、ディスクで保存しておきたい大切なプログラムが2時間10分以内なら1層記録のBDにDRモードで、それより長い番組ならBD1層で4時間録画できる約12.9MbpsのAVCREC HGモードで残し、タイムシフト目的の日常使いのモードとして、HEモードを活用したいと思う。

 また音声記録についていうと、AVC REC時には、DMR-BW900ではなぜかオリジナルのAAC音声をドルビーデジタル(AC3)に再エンコードして記録する仕様になっていたが、BW930ではAVCREC時にもAACの放送データをそのまま保存できるようになった。少しでもまとまな音質で聞きたいとお考えの方には、これはうれしい仕様変更といえるだろう。

 それから、再生系についていえば、DMR-BW900ではBD ROMのみ、その恩恵が受けられたPHL(パナソニック・ハリウッド研究所)の「クロマアップサンプリング」処理回路が、DMR-BW930では「新リアルクロマプロセッサー」により、放送や録画済BD、DVDにも運用されるようになったことも見逃せない。DMR-BW900でBD ROMを見ると、他社のプレーヤー/レコーダーで再生した場合よりも、細部の見通しがよくなり、コントラストが向上したような感覚が得られたが、BW930ではそれがすべてのソースで味わえるようになったわけである。

 ここでクロマアップサンプリング処理について一言。DVDやハイビジョン放送、BD ROMでは、輝度情報に対して色(クロマ)情報を削減して映像信号を伝送している。色よりも輝度に敏感な人間の視覚特性を利用し、輝度情報がすべて記録されている4つの画素それぞれに1つの色情報しか記録していないのである(4:2:0と表記される)。この4:2:0データを映像として表示する際に、全画素に色信号を乗せる処理をクロマアップサンプリングと呼ぶのである(4:4:4変換という)。

 DMR-BW900で録画した、スイス製の高級機械式腕時計を美しく捉えた番組をDMR-BW930で再生してみると、確かにDMR-BW900で見るよりも腕時計のメタリックな輝きがひときわ鮮やかに見えるし、ジャマイカの美しい海岸を撮った映像では、DMR-BW900よりもBW930で見るほうが明らかに白ピークが上がって見え、カリブ海の強烈な陽光がリアルに実感できるようになる。

 パナソニック技術陣によると、ピークの輝度レベルはDMR-BW900とまったく同じということだから、これは不思議な感覚。色信号の復元精度が向上することで、微小信号の振幅がより正確に表現され、見た目のコントラストがよくなるのだろうか。

 なおDMR-BW930のクロマアップサンプリングの演算精度はBW900よりも向上しているという。DMR-BW900ではアップサンプリング時に参照する色信号は左右複数、上下1つであったが、DMR-BW930では上下左右ともに複数の色信号を参照して色信号の復元精度を上げているのである。

       1|2 次のページへ

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

この記事が気に入ったら
ITmedia LifeStyle に「いいね!」しよう