インタビュー
» 2008年10月03日 14時54分 UPDATE

CEATEC JAPAN 2008:“立て掛けREGZA”のひみつ

東芝ブースの中央に陣取り、来場者の注目を集める“立て掛けREGZA”。その開発経緯とコンセプトを聞いた。

[芹澤隆徳,ITmedia]

 東芝ブースの中央に陣取り、来場者の注目を集める“立て掛けREGZA”。一見、縦長のミラー(姿見)のように見えるユニークな外見だが、実は日本の住環境とインテリアを考慮したアイデアが込められていた。東芝、東芝デジタルメディアネットワーク社テレビ事業部日本部の本村裕史参事と同社デザインセンター・デジタルプロダクツデザイン担当の佐川崇参事に話を聞いた。

photo 東芝の本村参事とデザインを担当した佐川参事

 本村氏によると、“立て掛け”のアイデアを思いついたのは今年の初め頃。「日本の住環境と現在のテレビを考えたとき、壁掛けというのはまだハードルが高く、どこの家庭でもできることではありません。そのため“壁寄せ”のスタンドが流行していますが、ちょっとコンサバティブ(保守的)でしょう? 何か新しいスタイルを……と考えて思いついたのが“立て掛け”です」。

 しかし、社内でこの企画を説明しても、上役を中心にあまり理解を得られなかったという。確かに商品化を前提に考えれば、無理もない反応といえそうだ。「そこで、デザイナーに直接イメージを送り、相談したんです」(本村氏)。

 東芝デザインセンターの佐川参事は、昨年のREGZA「RF350」シリーズをはじめ、本村氏と組んでデザインコンシャスな液晶テレビに取り組んでいるデザイナー。受け取ったイメージをふくらませ、「今回はインテリアコンシャスなテレビではなく、テレビを“インテリアそのもの”にしよう」と考えた。

 立て掛けREGZAは、録画機能付きの52V型をベースにしたもので、そのフレームは全面がフラットなガラス製。フレームの角は絵画の額縁のように処理され、まるで鏡のように周囲の風景を映している。佐川氏によると、これは「ガラスの裏側から金属素材を蒸着した」もので、構造的には本当の“鏡”だという。

photophoto 本当の“鏡”になっている立て掛けREGZA。ちなみに、大きなガラス板としたことでコストがかさみすぎ、「上司にニラまれた」らしい

 また、画面の下には夜空の星のように白色LEDが輝き、ゆっくりと点滅する。LEDはとくに機能を持っているわけではなく、演出の一環だ。「一枚の板に映像が浮いているようなイメージ。画面の下には無限の空間があるように感じてもらえれば」。

 コンセプトモデルとはいえ、気になるのが安定性と画面の角度だろう。立て掛けたテレビが不安定では、常用することは難しい。また画面が斜め上方を向いているため、例えばソファーに座ったユーザーは液晶パネルを下から眺めることになってしまう。液晶パネルの特性上、下方向の視野角はあまり広くない。

 「今回は、展示を前提にしたコンセプトモデルのため、高くなっています。つまり“立って眺める”ことを前提にしたもの。室内用なら高さを抑え、椅子に座ったとき、壁際に立て掛けたテレビの画面がまっすぐ見られるようになるでしょう」(佐川氏)。また安定性については、背後に壁に密着する形の固定用面を設けているため、倒れる心配はないという。「実際、壁にはあまり重さはかかっていません」。

photophoto 通常のHDDの代わりに64GバイトのSSDを搭載。デモ用コンテンツを収めている(左)。背面のスタンドは壁に面で接触するようになっている(右)

 今回の立て掛けREGZAは、あくまでコンセプトモデルだ。しかし、テレビをインテリアそのものにして、同時に設置の制約をなくすという発想はユニーク。その独特の外観とあわせて東芝ブースで異彩を放っているので、CEATEC JAPAN 2008を訪れるならぜひチェックしてほしい。

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.