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実売3万円を切るフルHD液晶ディスプレイ「E2200HD」ってどうなの?16:9パネル/HDMI搭載(3/3 ページ)

» 2008年10月24日 15時30分 公開
[林利明(リアクション),ITmedia]
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気になる画質は?

sRGBモードの表示は黒つぶれや白飛びがあるものの、中間調の表示は整っている

 画質については、TN系の液晶パネルを搭載した製品としては優秀な部類といえる。シャドウのつぶれとハイライトの白飛び、高彩度領域の色飽和は多少目立つものの、中間調の階調性は良好で、広色域タイプの液晶パネルではないこともあり、sRGBモードの色再現性はまずまず。画面の上下で輝度ムラを感じるのはTN系の宿命ともいえるが、最新パネルだけあってTN系の中では視野角が広いほうだ。

 1つ残念なのは、sRGBモードを含め、画質モードが「標準」以外だと、OSD設定の鋭さ(シャープネス)が「1」で固定されることだ。これだとシャープネスがかなり強く、特にフォルダウィンドウやアプリケーションのメニューバーで「ファイル」などのフォント表示が不自然に見える。高いシャープネスが気になるようなら、画質モードを「標準」にして、OSD設定の鋭さを調整するとよい。標準モードの発色は、sRGBモードとほとんど同じになる。

 動画やゲームの表示性能にも特に不満はない。応答速度を稼ぎたいときは、OSDでAMAを有効にすればよい。ダイナミックコントラストも有効がよいだろう。ただし、フレーム単位の動きが激しい映像やゲームでは、AMAを有効にすると白い残像が目立つ場合がある。オーバードライブ回路がうまく最適化されていないのだろう。ソースに応じた有効/無効の使い分けが必要だ。

小型のフルHD対応モデルを安く手に入れたい人に最適

 E2200HDはコストパフォーマンスが抜群で、フルHD対応かつ小型のワイド液晶ディスプレイとして大いに魅力がある。ハイビジョン映像の鑑賞やゲーム機の接続がメインの場合、アスペクト比が16:9で解像度が1920×1080ドットである点は有利に働く。1920×1200ドットのワイド液晶ディスプレイと違い、1080i/pの画面を表示しても上下の黒帯が発生しないからだ。1920×1080ドット表示の使用感に関しては、デル「S2409W」のレビュー記事が詳しいので、そちらも一読してほしい。

 画質と機能にこだわるユーザーには適さないが、実際は色再現性を重視する用途でなければ、許容範囲内という人が多いと思う。E2200HDは「安いけど十分使える」製品であり、できるだけ小型で低価格なフルHD対応のワイド液晶ディスプレイを求めていた人にとっては願ってもない1台といえる。加えるなら、今後のフルHD対応ワイド液晶ディスプレイの価格戦線に少なからず影響を与えるのも間違いないだろう。

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