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BDへの“こだわり”が詰まったソニー「BDZ-X95」(前編)BD/DVDレコーダー特集(5/5 ページ)

» 2008年10月24日 18時08分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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「おでかけ・おかえり転送」の柔軟性と制約

 録画番組をポータブルプレーヤーに転送する「おでかけ・おかえり転送」は、「PSP」だけでなく「ウォークマン」(対応機種)にも転送できる「BDZ-A70」相当の機能にアップグレードされた。2008年冬モデルでは「X」シリーズのみが対応している。

 BDZ-A70同様に一部のFOMA端末への転送にも対応しているが、FOMAにはコピー制限された録画番組が転送できない、つまり、地上アナログ放送を録画した番組しか持ち出せない制限も変わっておらず、FOMA対応はいまひとつ存在意義が見いだせない。BDZ-A70の時には今回は単に見送りかなと見ていたが、PSPやウォークマンの販促的な意味合いも強いのかもしれない。microSD/miniSDメモリーカードが転送先であれば著作権保護は可能なため、FOMAのユーザー数を考慮すると実にもったいないと思う。

 もっとも機能自体は秀逸だ。録画時に同時に転送用の動画をエンコードしておくことが可能で、この場合は転送が極めてスピーディに行える。もちろん転送用の動画をエンコードしながら転送することも可能だし、転送先の機器を接続せずに「おでかけ転送」の操作をして事前に転送用の動画エンコード作業だけを行うこともできる。融通の良さは同社らしさを感じる部分だ。

 チャプターも継承されるようになっており、ウォークマンの対応製品ではチャプタースキップも可能になるため、本機での視聴と同じように本編だけを効率良く視聴できる。機能強化点としてはグループ単位での一括転送が可能になっていて、連続ドラマなどを“まとめて転送”といったことがより容易に行えるようになった。

photo 「おでかけ転送」と対になるのが「おかえり転送」。ムーブしかできない録画番組を転送した場合に「おかえり転送」を実行するとポータブルプレーヤー側の番組が削除され、本機のHDD内に残された録画番組のオリジナルが再度再生可能になる。「e2 by スカパー」などはコピーワンスの番組も多いので、ダビング10導入後でも「おかえり転送」の役目はまだまだ必要だ
photo 転送する番組の選択画面はBD/DVDメディアへのダビングとほぼ同じ。任意の複数の番組を指定できるほか、グループ内の番組を一括転送することもできる

 ただ、この機能をハイエンドの「X」シリーズに搭載するのは当然として、「T」のようにテレビ録画利用を中心においたモデルにも装備すべきではないかとは思う。同社としては「X」シリーズが価格的に折り合いが付かないなら併売されるBDZ-A70をどうぞといいたいのだと思うが、BDZ-A70は「おでかけ・おかえり転送」機能を除けば旧モデル「T」シリーズ相当の機能しか備えていないのだから、やはり少々もったいない。

 後編では、録画画質の検証のほか、編集、ダビング、ネットワーク機能などに触れていく予定だ。

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