2008年モデルでもっとも大きな改善点であるとともに、期待もされていたのがMPEG-4/AVC録画のアップグレードだ。旧モデルはメインプロファイル止まりで解像度も1440×1080ピクセルとなっていたが、本機ではハイプロファイル対応となり、1920×1080ピクセルのフルハイビジョン記録が可能になった。なお、地上デジタル放送のように録画ソースが1440×1080ピクセルの場合には1440×1080ピクセルのままMPEG-4/AVC録画される仕様になっている。
録画モードは、放送波をストリーム記録するDRモードに加えてMPGE-4/AVC録画が6モード。ただし、旧モデルではビットレート6MbpsだったLSRモードが5Mbpsに引き下げられ、SD解像度(720×480ピクセル)だったLRモードでも上記のようにハイビジョン録画が可能になった。同社製品の場合、そもそもMPEG-4/AVCのどの録画モードでもSD解像度の録画も可能になっているため、SD解像度の録画がLRモードのみに限定された訳ではない点に注意したい。最大1920×1080ピクセルの録画はSRモードまで、LSRモードとLRモードでは最大1440×1080ピクセル、2MbpsのERモードはSD解像度になっている。
では、期待の録画画質はどうだろう。すでにレビューを掲載済みのパナソニック「DMR-BW930」とほぼ同条件でチェックを行ってみた。
まず、XR/XSR/SRモードといった実用的な画質を期待される録画モードでは、旧モデルで感じられたDRモードに対するソフトフォーカス感がほぼ払拭された。同一録画ソースで比較したわけではないが、旧モデルではSRモードでまれに見られた動きの激しいシーンでの破たんもほとんど感じることがない。スポーツ中継などでは、静止画にしてしまうと画面が大きくパンしたシーンなどでは乱れもあるのだが、そこから収束するまでが早く、動画としての破たんは感じない。録画ソースを選ばない録画モードの下限が旧モデルのXSRモードからSRモードに拡大されたと見ていいのではないだろうか。またクロスフェードするシーンチェンジで映像の乱れをほとんど感じないのもSRモードまでだろう。ただし、シーンによってはXSRモードとSRモードの情報量の違いを感じることがある。
LSRモードは旧モデルの6Mbpsから5Mbpsに引き下げられ、SRモードとのビットレートの差も2Mbpsから3Mbpsに拡大した。LSRモードでも映像の破たんを感じることは少ないが、SRモードからの情報量の欠落は見てとれる。LRモードになるとHD解像度らしさは残しつつソフトフォーカスな印象を感じるシーンが多くなり、クロスフェードするシーンチェンジの際に画質の乱れも目立ってくる。
もちろん動画としてとらえた場合には、ここに上げた静止画ほどの変化は感じないのも事実。LRモードでもしっかりとハイビジョンらしい解像感は保っており、シーンチェンジなどでのちょっとした映像の乱れが気にならないなら、連ドラの録画などには十分に使えるだろう。ただし、LSRモードのほうが明らかに解像感が高い。ビットレートはLRモードに対して1.25倍でしかないため、より実用性が高いと思う。
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