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» 2008年10月29日 18時44分 UPDATE

FPD International 2008:薄型テレビは「情感に訴える画質」を目指す

フラットパネルの総合展示会「FPD International」にて行われたセッションで、テレビメーカー各社が絵づくりの考え方や手法を紹介した。共通するのは「感情へ訴える画質」だ。

[ITmedia]

 フラットパネルに関する総合展示会「FPD International」が開幕。初日となる10月29日にはデジタルメディア評論家 麻倉怜士氏や各社技術者が参加してのセッション「液晶,PDP,究極の絵づくりに迫る」が行われ、参加者が「絵づくり」について語り合った。

photophoto 「液晶,PDP,究極の絵づくりに迫る」で行われたパネルディスカッション

 まずは日本ビクター/東芝/パイオニア/パナソニック/日立製作所の担当者が自社薄型テレビの画質設計や高画質化技術についてプレゼンテーションを行い、その後に行われたディスカッションでは司会の月刊ニューメディア 吉井勇氏が各社担当者へ「ここだけは見て欲しい、という点は?」と尋ねた。

 各社の答えは、「自然さ。無意識のうちに視線がいく“顔”の自然さ」(日本ビクター 豊嶋智氏)、「階調表現の豊かさと色の自然さ」(東芝 永井賢一氏)、「コントラストと色表現の忠実さ。フルハイビジョン放送ならば解像感に注目してほしい」(パイオニア 碓井純一氏)、「色再現性にコントラスト、それに動画解像度も見てほしい。プラズマならば、デジタルシネマによる赤と黄色の映画っぽい表現」(パナソニック 辻原進氏)、「プラズマは色、液晶は階調を見てほしい」(日立製作所 青木浩司氏)というものだった。

 コメントは各社それぞれだが、プレゼンテーションで“情感に訴える画質を目指す”という趣旨の発言が多かったのは各社ともに共通していた。日本ビクターの豊嶋氏は「一口に高画質と言っても、さまざまな意味合いがある。これからは高画質ではなく、見る人の好みにあった“好画質”を表現する必要がある」とし、画質を作る側にも映像に対する理解、いわば“映像リテラシー”が求められるようになると述べた。

 これには「そうした映像リテラシーは見る側にも求められる時代となっている」と麻倉氏も共感を示し、また、AV評論家の藤原陽祐氏は各社最新製品を「基礎体力がブラウン管なみになってきた」と評し、薄型テレビもいよいよ「表示」から「表現」の領域に近づいてきたことを伺わせた。

 来年の製品テーマとして、日立製作所の青木氏は「人間的な、感情的なよさという切り口を盛り込んでいきたい」、日本ビクターの豊嶋氏は「より自然な、誰が見ても違和感を覚えない映像」、パナソニックの辻原氏は「来年のモデルは自発光のポテンシャルを高めるところに注力していきたい」と語る。

 CEATEC JAPANにCellテレビを展示した東芝の永井氏は「(Cellテレビや自動画質調整など)新技術の実用化と改良を進めたい」、パイオニアの碓井氏は「映像を性格に再生する忠実性と映像を感性にうったえる表現性、この2つをかたちにした画質を定義したい」とそれぞれに目標を語った。

 なお、現在のところテレビ用としてはソニーのみが製品化している有機ELについて、麻倉氏は「これからは自発光の時代。有機ELの画質も進歩していくと思うが、有機ELにはテレビ以外にも電子ペーパーなどの使い道がある。そこで違いが生まれるのでは」、藤原氏は「プラズマの次が有機ELというのはコンセンサスがとれているだろうが、消費電力やコストの問題は残る」と意見を述べた。

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