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「XDE」の分かりやすい効果――東芝「SD-XDE1」(2/2 ページ)

» 2008年11月01日 06時23分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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得意なシーンと不得意なシーン

 SD-XDE1のリモコンには専用の「XDE」ボタンがあり、押すたびに「オフ」「「シャープ」「カラー」「コントラスト」の順序でモードが切り替わる。今回はパイオニア製プラズマテレビ「PDP-5010HD」とHDMI接続して複数のDVDビデオを試聴したが、ボタンを押すたびに再生中の映像が変化するため、効果については非常に分かりやすい。

 まず基本の「シャープ」では、大画面テレビに映すと眠い印象だったDVDの映像が、確かに精細感を伴って見える。とくに風景が中心のシーンには有効で、樹木の葉、あるいは壁のれんがなど、細かい部分のディティールが見えてくる。また、白抜きのテロップなどもベールを1枚はがしたようにクリアになり、それまでぼやけて読みにくかった細かい文字も判別できた。

photophoto 画面の一部を拡大したもの。左は「オフ」、右は「シャープ」。樹木や木製の扉は細かい部分が見えてくる

 「カラー」や「コントラスト」のモードは、シャープをかけた後に処理を加えるようで、カラーはシャープ+青と緑を鮮やかに見せる効果、コントラストはシャープ+暗部の階調性重視といった設定のようだ。カラーで見る青空はより青く、海もそれらしい色になる。一方のコントラストは暗いシーンが多いコンテンツ(サスペンスやホラーなど)に有効だ。黒くつぶれていた部分が見えてきて、奥行きや立体感を感じることができた。

photophoto 左がオフ、右は「カラー」モード。カラーでは海や空をより青く、それらしく見せる効果がある。ただ、樹木の輪郭には明らかなリンギングが発生して少しうるさい
photophoto 暗い山道のシーン。左は「オフ」、右は「コントラスト」。黒くツブれていた部分が見えてくる

 ただ、シーンによって不得意な部分もある。例えば青空のように比較的すっきりとしたシーン。薄い雲を輪郭と間違えたのか、空に疑似輪郭が発生していたり、樹木の周りにリンギングが目立つケースが見受けられた。逆にアニメのようにもともと情報の少ない映像では、ほとんど変化を感じない。

 また、DVDよりも解像度の低い映像でもアップスケールして「そこそこ」の画質で見せてくれる。例えば数年前に作成したVGAクラスのDivXファイルなど、大画面テレビでは全く見る気にならなかったものだが、XDEのプレーヤーなら上下いっぱいに拡大してもなんとか見ることができる。


 XDEは決して万能ではないが、それでも低価格DVDプレーヤーの付加価値としては魅力的だ。ハイビジョン並みとはいえないが、シーンによっては確かにハイビジョンに迫る精細感を得ることができるし、基本のアップスケール機能はしっかりしている。また映像を見ながらXDEボタンをポチポチと押して、その効果を探るのも楽しい。

 残念なのは、SD-XDE1がDVDプレーヤーであるがために、その効果を感じる映像ソースが限られてしまうこと。個人的には、DLNAクライアント機能などを付けてくれると魅力が増すと思う。

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